【木村和久連載】ビジター全盛の今、カントリー倶楽部のあり方とは? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そのうえ、ゴルフ場への行き帰りに革靴を履いて移動したものだから、持病の外反母趾が悪化して、歩きづらくなりました。普段はスニーカーを緩く履いているのですが、そんなこともできず、つらかったです。

 そうそう、しかも歩きのラウンドには、ほんと参りました。名門倶楽部って、高いお金を払うのに、カートも導入していないのですから、丸儲けじゃないですか。屋根のないオープンカーのほうが、普通のセダンより値段が高いのと一緒ですかね。

 まあ、実際にプレーが終わってみれば、素晴らしいレイアウトにうっとり。歩きのプレーも久しぶりに達成し、まだまだゴルフをやれるな、と実感しました。料金が高いだけあって、満足感も相当あったのは確かですけどね。

 というわけで、古きよき名門倶楽部は誘われれば行きますけど、堅苦しいので、年に1~2回ぐらいですかね。

 今から50年ぐらい前のカントリー倶楽部は、みんなこんな感じでした。

 ところが、ゴルフ業界のバブルが崩壊。すなわち会員権相場が暴落し、経営母体が経営危機となるケースが続出、次々と身売りして、それらの会員権は紙くず扱いとなってしまったのです。

 結果、どうなったのか。

 会員のみの運営では到底立ち行かなくなり、インターネット予約などを使って、ビジター客を大量に動員するようになりました。だから、日本のカントリー倶楽部のおよそ9割は実質的に"セミパブリック"なんですね。

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