【木村和久連載】ゴルフレッスンも「オレ流」時代へ。それでいいのだ (3ページ目)
実際、なんでこの人がゴルフ番組に出ているのだろう? といった違和感が画面を通してもひしひしと伝わってきていましたしね。ショットを打つことになると、もうおっかなびっくりといった感じで、おどおどしながらなんとかボールを打っていました。
でも、ゴルフの苦手な視聴者から見れば、モト冬樹さんになんぼ勇気づけられたことか。そして谷プロも、モト冬樹さんには自分の個性を生かして、好きに打ちなさいと指導。それこそ、多くの人たちに希望を与えたと思います。
以来、ゴルフという言葉に「自己流」や「個性を伸ばす」という言葉を加えて検索すると、結構な数のレッスン記事や動画がアップされていることに気づきました。実は今や、個性を伸ばす教えは、レッスンの主流に近いものになっているのではないでしょうか。
少し前では、考えられないことです。各コーチや指導者によって、クラブの握り方から、アドレス、トップ、フォロー......までの基本があって、その理論どおり、コーチの教えどおりに実践することを求められてきましたからね。
以前、ゴルフ留学をしてきたという一流のレッスンプロにバンカーの打ち方を教わったときもそうでした。「サンドウェッジのフェースを開いて、バンスを利用して打つ」と、超正統派の理論しか教えてくれませんでした。
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