今の松山英樹は、絶頂期のタイガー・ウッズによく似ている (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ショットが絶好調ではない中で、いかにミスを少なくマネジメントして、いいプレーにつなげることができるか。それができれば、「100%の調子ではなくても勝てる」ということである。

 間違いなく、今の松山はそのポジションにいる。

 もうひとつ、ウッズが言った言葉で忘れられないものがある。

「出場する試合は、すべて優勝を目指してプレーする。2位はひどい成績だし、3位はもっと最悪だ」

 これは今から21年前、プロに転向したばかりのウッズが、PGAツアーのデビュー戦を前にして、ベテランプロのカーチス・ストレンジからインタビューを受けた際に発したコメントだ。

 それに対してストレンジは、PGAツアーで勝つことがどれほど大変なことかをわからせようと、精一杯の皮肉を込めて「これから学ぶことになるさ」と、ウッズに言い返した。

 ところが、結果はどうだろうか? ウッズの強さに、逆にストレンジが学ばされるはめになった。

 ウッズと同様、松山も常に「出るからには優勝を目指す」と言う。「逆に、優勝を目指さない選手っているんですか?」と、取り囲むメディアに疑問を投げかけたこともある。

 そうしたメンタリティーは、ウッズも、松山も同じだと思った。

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