【木村和久連載】小池知事へ。東京五輪ゴルフ会場の見直しをぜひ! (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 この霞ヶ関CC案に、真っ向から反対しているのが、日本ゴルフ改革会議(大宅映子議長)です。メンバーには知り合いが多数いて、そこでは会場を当初の案だった若洲GLに戻そうと、東京都にも申し入れているそうです。しかし、いまだ動きはあらず、です。

 水面下では「ボート・カヌー会場の次はゴルフだ」と言っているようですが、バレーボール会場の問題などが決着せず、こう着状態が続いています。ゆえに、様子見のままなのでしょう。

 じゃあ、なんで霞ヶ関CCじゃあダメなのか。そうした意見が上がるのは、問題の(2)があるからです。

 7月末から8月中旬となると、気温が35℃を超えることも考えられ、埼玉県内陸部のゴルフ場では、おそらくグリーンの表面温度は40℃を超えます。ミラー効果というのか、グリーンの上は結構照り返しが強くて、相当暑くなります。そんな炎天下に半日いるのは、欧米系の選手にとっては、かなり酷なことしょう。それが、はたして「おもてなし」と言えるのか? 一番の問題はそこです。

 そんなことはお構いなしに、霞ヶ関CCを選んだ連中は、以前、カナダカップ(ワールドカップの前身)を行なった国際級の会場だし、有名な設計家のチャールズ・アリソンや井上誠一が設計・改修しているし、何が問題なの? と言いたげです。

 日本を代表する立派なコースですから、霞ヶ関CCにしたい気持ちはわかりますが、それはあまりにもコース至上主義に陥っていませんか?

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