米ツアー2年目の横峯さくら。悲願の優勝へ準備はできているか (3ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 しかし、そうした横峯の不安や戸惑いは少しずつ解消されていった。そこには、夫であり、メンタルトレーナーでもある森川陽太郎氏の存在があった。森川氏が、私生活、ゴルフ両面において、横峯をしっかりとサポートしたおかげだ。

 ゴルフの上では“チーム横峯”の一員として、日々意見をかわしていた。ラウンド後はいつもふたりで、その日のプレーについての反省、検証を欠かさなかった。そして、翌日の目標もふたりで話し合って決めた。

 そんな中、印象的だったのは、のんびりと構えている横峯に対して、森川氏が「チームのリーダーはさくら。君が指揮を執らないとダメだ」と指示。“チーム横峯”の舵取りを横峯自身に任せたことだ。それによって、横峯の前向きなスタンスを引き出し、何事にもアグレッシブにトライしていくような状況を作っていった。

 また、米ツアーにおいては、長距離移動を強いられる遠征生活が、日本とは比べ物にならないほどタフだ。その負担を少しでも減らすため、夏にはキャンピングカーを購入した。おかげで、その移動中に横峯は体を休ませることができ、横峯のゴルフへの集中力が増していった。

 そうして、ふたりの、いや“チーム横峯”の生活スタイルが徐々に確立し始めてからは、横峯の気持ちにも余裕が生まれ、成績もだいぶ安定するようになった。

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