【木村和久連載】まだ生き残っていた「ゴルコン」の実態を探る (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 というわけで、ゴルフ場での「ゴルコン」は、あっという間にすたれてしまいましたが、「ゴルコン」そのものはしっかりと存在しています。会場は都内のシミュレーションゴルフ場です。主催するのは、結婚相談関係の会社で、そのひとつのイベントとして人気なのです。

 参加者の年の頃はと言えば、男女とも30代が圧倒的に多い。結婚にマジというか、焦っている世代です。でも、焦っている方々に、婚活パーティーという触れ込みだと、モロ直球過ぎて誰も来ない。そこで、「ゴルコン」という、結婚とまったく関係ないネーミングにして、さりげなく来てもらおうという作戦に出たのです。

 実際、行ったことがあるんですが、建前のゴルフはおざなりですね。マイドライバーを持って来た人がいましたが、完全に浮いていました。チームに分かれて、シミュレーションゴルフでスコアを競うのですが、途中からゴルフそっちのけで、メアド交換会を始めていますから。

 この世代は、非常に自意識過剰とでもいうのですか? 行動にいちいち理由づけしないと、できないようです。積極的な方は、早々に2次会の段取りをしていますが、奥手な方は、主催者が「最後になりました、お隣さんとメアド交換してください」と懸命にアピールして、ようやくスマホを取り出す、そういう人もいるんです。

 というわけで「ゴルコン」は、婚活の"隠れ蓑"として、ささやかに都内に生息していたのです。

 じゃあ、本当の「ゴルコン」はすたれたのか? いや、実は「街コン」のひとつの形態で発展していたんですね。

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