松山英樹のマスターズ5位は、伊澤&片山の4位とココが違う (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 ジョーダン・スピース(21歳)が、初日「64」の8アンダーというビッグスコアを記録。さらに、2日目も6つスコアを伸ばして、前半戦を終えて14アンダーと独走したからだ。そのうえ、J・スピースは3日目も崩れることなく、54ホール消化して、16アンダーとした。

 この記録的な、とんでもないスコアをJ・スピースが出すことによって、ゲームの流れは大きく変わってしまった。おかげで、松山のチャンスも遠のいた。

 それでも、今年のマスターズで松山は、背伸びして手を伸ばせば、優勝に届く位置に自分がいる、と実感した。そして、その課題も見えてきた。この1年間、ここまで少しずつ積み重ねてきた精進が、松山を支えた。

「パッティングをもっと磨けば(優勝に)届くと思います」

 マスターズで勝つための課題について、そう語った松山。技術的なレベルアップはもちろんのこと、マスターズで勝つにはあと、脇役ではなく、どうやって主役の座を奪い取るか、というアピールも必要だと思う。

 なにしろ、驚くべきことに、21歳の若者が強烈なプレッシャーに打ち勝って、最後まで走り抜けてしまったのだ。通算18アンダーと、大会タイ記録で優勝したJ・スピース。“新しい時代”がやってきそうである。

 そのJ・スピースをはじめ、フィル・ミケルソン(44歳)と並んで2位タイになったジャスティン・ローズ(34歳)、4位のロリー・マキロイ(25歳)、6位のダスティン・ションソン(30歳)らが、今後の新時代を築いていくのだろう。

 彼らに共通して言えることは、忍耐力や技量の豊富さだけでなく、強いメンタリティーを持ち合わせている、ということだと思う。

 もちろん、松山も同様である。新時代に突入した米ツアー、そしてメジャーの戦いの中に、間違いなく彼も加わっていく。そこで“主役”となって躍動する、松山の姿を早く見たい。

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