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【ゴルフ】「大人のゴルファー」に変身した香妻琴乃

  • 野崎 晃●文 text by Nozaki Akira
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 香妻琴乃(こうづま・ことの/22歳)の、これほど気合の入ったプレイを見たのは、初めてかもしれない。

今季好調の香妻琴乃。今季好調の香妻琴乃。 先日行なわれた、サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース(7月18日~20日/茨城県)でのことだ。最終日、首位イ・ナリ(12アンダー)から4打差、7位タイでスタートした香妻(8アンダー)は、8バーディー、ノーボギーという圧巻のプレイを披露。彼女が最終18番を終えた時点では、通算16アンダーで単独首位に立つほどの猛チャージを見せた。

 結局、通算16アンダーで並んだ成田美寿々(21歳)とのプレイオフには敗れてしまったが、プロ入り最高位となる2位でフィニッシュ。その戦いぶりは、多くのファンを魅了した。

 サマンサタバサ所属の香妻は、大会前から「日頃からお世話になっている関係者に恩返ししたい」と、ホステスプロとして強い決意を見せていた。

「昨年はホステスプロとして臨みながら、予選落ちに終わってしまいました。その分、今年は(今大会に向けて)しっかりと練習して、かなり力が入っています。上位に入りたい気持ちがすごく強いです」

 しかし、ツアー初優勝にはあと一歩及ばなかった。試合後、そして表彰式のあとに関係者から声をかけられるたび、香妻の頬に涙がこぼれ落ちた。

「私以上に(関係者の)みなさんが『悔しい』と言ったり、泣いたりしてくれました。その姿を見て、一層悔しさが増しました。いいプレイができたことには満足していますが、本当に悔しいです。勝ちたかったな、と思います」

 プロ初勝利こそお預けとなったが、今季の香妻からはひと皮むけた雰囲気が漂っている。

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