全英OP攻略へ。松山英樹が密かに腕を磨くクラブ (2ページ目)
そしてもうひとつ、松山が練習ラウンドで入念に行なっていたのが、グリーン周りのアプローチ練習だった。特にバンカーからのショットは、どのホールでも多くの時間を割いていた。その際、丸山プロが直接アドバイスするシーンも見られた。
「(松山は)アプローチのクオリティーが上がっている。学習能力が高いので、いろいろなアプローチを練習で試して吸収している」と、松山の米ツアーでの活躍はアプローチの成長にあると語った丸山プロ。そのアプローチを一層磨いて、メジャーの舞台でのさらなる飛躍を遂げられるか、期待を寄せていた。
一方、日本勢で注目の存在がもうひとりいる。2年ぶりの全英オープン参戦となる石川遼(22歳)だ。先の日本ツアー、長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ(7月3日~6日/北海道)でおよそ2年ぶりの優勝。その結果もあって、滑り込みでの全英オープン出場となったが、やはり石川にはメジャーの舞台がよく似合う。精力的に練習ラウンドをこなす姿からは、周囲に何かを期待させるオーラが漂っていた。
その練習ラウンド、石川は松山とはまったく異なる調整を行なっていた。現地7月14日の月曜日には、ドライバーを一切使わず、徹底して刻むゴルフでラウンドしていたかと思えば、翌15日の火曜日はショートホールを除く14ホール中、13ホールでドライバーを使用。攻撃的なラウンドに終始した。
「ドライバーをたくさん握ってのラウンドは、いい練習になりました。そこで(ドライバー使用が)無謀過ぎるな、と感じたのは3ホールくらいでした。使えるならば、できる限りドライバーは使っていきたい。バンカーに入ったら、確実に1ペナというのは前提としてあるけれども、アグレッシブさを忘れずにやっていきたいと思います」
松山と同様、石川も「フェアウェーキープ」と「バンカーに入れない」ことを重視している。しかし、結果を出すためには、持ち味である"攻める姿勢"も欠かせないと考えている。土壇場でつかんだメジャーの舞台で、石川の新たな挑戦にも注目したい。
何はともあれ、米ツアーで揉(も)まれて成長した松山と石川。若いふたりが目まぐるしく変わる天候の中、難コースをどう攻略し、世界の猛者たちとどう渡り合っていくのか。そして、塚田好宣(44歳)、小林正則(38歳)、近藤共弘(37歳)、小田孔明(36歳)、宮里優作(34歳)、岩田寛(33歳)ら、ベテラン、中堅の日本人プレイヤーの躍進はあるのか。見どころ満載の全英オープンが、今年もやってきた。
第143回 全英オープンゴルフ
テレビ朝日系列 地上波独占放送
【第1日】 7月17日(木)よる11時25分~
【第2日】 7月18日(金)よる11時10分~
【第3日】 7月19日(土)よる11時12分~(一部地域を除く)
【最終日】 7月20日(日)よる9時24分~(一部地域を除く)
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