【ゴルフ】日本勢に勝機も。今年の全米女子は「最もフェア」 (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 コース攻略のカギになるのは、グリーン周り。傾斜のきついグリーンは、セカンドショットのボールが狙いどころからわずかに逸れただけで、グリーンの外へ、あるいはグリーン周りのバンカーまで転がり落ちていってしまう。そこで、いかにショートゲームを駆使して、パーをセーブできるか、もしくはボギーで収めることができるかが、勝負となる。

 長兄の宮里聖志(予選落ち)が参戦した全米オープンを観戦したという宮里藍も、その点を強調する。

「飛距離が違うショットに関しては、(男子のプレイは)まったく参考にならない(笑)。ただ、見ている限り、グリーン周りをうまく攻めた選手が上位にいっていたと思う。そこで大事なのは、自信のあるクラブを迷わずにチョイスすること。(今大会では)決断力のスキルが問われると思う」

 つまり、ショートゲームに優れた宮里藍のゴルフスタイルには、最も適したコースだと言える。だが、今季の宮里藍は、パットの不振から思うような成績が出ていないのが現状。メジャー制覇は大きな目標とはいえ、例年ほどタイトル奪取に向けて遮二無二なっている印象はない。

「確かに(メジャー制覇へ)気持ちは、あまりガツガツしていない。このコースを攻略することで頭がいっぱい。とにかく、1番ホールからいいゴルフができるように、いい状態を整えて本番に臨みたい」

 そう言って、非常に落ち着いた表情を見せていた宮里藍。いい意味で力が抜けている分、パットさえ決まり出せば、躍進もあるかもしれない。

 米女子ツアー参戦2年目の有村智恵は、ここ3試合連続で予選を突破。徐々に調子を上げてきている。有村自身、「ようやく不安な状態から抜け出した」とメジャー大会を前にして、米ツアーでの手応えを語った。そして、昨年は予選落ちに終わった全米女子オープンに向けても、前向きな姿勢を見せた。

「もともと、メジャー大会でどっしりと構えて戦うために、米ツアーを主戦場にして戦いたいと思っていた。まだ結果にはつながっていないけれども、昨年よりは地に足がついていると思います」

 アメリカでも安定したプレイができるようになった自信からか、明るい表情を見せた有村。爆発力があるだけに、上位進出のチャンスはあるはずだ。

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