2014.01.21

「夢は東京五輪出場」渡邉彩香は女子ゴルフ界の大器

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 すると後半戦、予選落ちを繰り返すことがなくなり、徐々に安定した成績を残せるようになってきた。

「(その要因は)パターが入るようになったからです。春からずっと練習をしてきて、夏ぐらいに『これだけ練習したんだから大丈夫』って思えるようになったんです。それから、だんだん自信を持って(パットを)打てるようになって、結果も出せるようになってきました。そして、それが実を結んだのが、(10月の)富士通レディースでした。

 最終日は(悪天候により)中止になって残念でしたが、富士通のコース(千葉県/東急セブンハンドレッドクラブ・西コース)は、距離も長くてタフなセッティングだったので、試合前からロングヒッターの自分にとっては『チャンスかな』と思っていたんです。そうしたら、実際に初日からいいゴルフができて(2アンダー8位タイ)、結果的には単独2位で終えられた。そのとき『練習は嘘をつかないな』って、つくづく思いましたね」

同期の比嘉真美子と仲がいいという渡邉。「真美子は私にとって良きライバルでもあります」 この富士通レディースの結果は、渡邉に自信を与えた。さらに、獲得賞金を積み上げて一気にシード権獲得ライン(賞金ランク50位以内)が見えたことで、モチベーションも増したという。そして11月、森永製菓ウイダーレディスで4位タイ、伊藤園レディスで7位タイという好成績を立て続けに残して、賞金ランク50位以内を確定させ、2014年シーズンのシード権を手にした。

「伊藤園のときは、実は精神的にはかなり厳しかったんですよ。予選落ちしたら(シード権獲得は)危うかったので……。それでも、同期の(比嘉)真美子に気遣ってもらったりする中で、初日にいいゴルフができた(3アンダー11位タイ)。その流れのまま、最終的に7位になれて、『これで(シード権は)もらった!』って思いましたね(笑)」

 プロ1年目から見事シード権を獲得した渡邉だが、そもそもゴルフはどういうきっかけで始めたのだろうか。子どもの頃から「好きだな」「やりたいな」と思うことは自ら積極的に取り組むタイプだったというが、ゴルフに関してはそうでもなかったらしい。

「父親がゴルフ好きで、練習場などに私を連れていってくれて、それで自然に私もゴルフを始めたらしいんです。それが、10歳ぐらいですね。父親が言うには、『この子は無理やり何かをやらせても続かないので、自分から”やる”って言い始めるまで待っていた』そうです。

 中学校に入ってからは、それまでやっていた水泳もやめて、ゴルフに専念するようになりました。周りにゴルフをやっているような子もいなくて、他の人と違うことをやっているというのがよかったというか、楽しかったですね。また、当時から身長が高くて、パワーがあったので、周囲の人たちから『(ボールを)飛ばせ、飛ばせ』って言われて……。それに乗せられて、自分も調子に乗って、飛ばすことばかり考えてゴルフをやっていたんです。それが楽しくて、どんどんゴルフにはまっていきました」