サッカー日本代表のエースがクラブではポジションを失う危機に 久保建英に何が起きているのか (3ページ目)
あらためて相手との1対1で、均衡を崩せる力を証明した。久保の場合は個の力というだけではない。そもそもコンビネーションを生かす異能こそ、ラ・レアルで最も評価されてきた。どこのスペースでも、たとえわずかであっても、連係によって相手の裏を取って、致命的なダメージを与えることができるアタッカーだ。
ベネズエラ戦では何度もゴールライン近くまで切り込んでマイナスのパスを折り返し、最後はドリブルに焦った相手のファウルを誘ってPKを奪った。エクアドル戦も、反転して鈴木唯人に通したパスはワールドクラスだった。ファウルでなければ止められず、世界的なセンターバック、ウィリアン・パチョも手玉に取っていた。ニュージーランド戦も堂安の攻撃力を引き出し、先制点は久保がドリブルで押し込んだあとのクロスから生まれた。
現在のラ・レアルでの不調については、「ワールドカップを全力で戦い、しかもケガに見舞われていた悪影響にすぎない」とも言える。その崩す力、コンビネーション力はラ・リーガでも屈指で、ゴールひとつで流れは変わるはずだ。
10月11日は、昇格組デポルティーボ・ラ・コルーニャとのホームゲーム。久保はベンチスタートが有力だが、出場のチャンスはあるはずだ。復活の狼煙を上げる舞台にできるだろうか。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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