佐藤龍之介のスペイン現地評価 苦境のバレンシアでサポーターは「持ち味をもっと発揮してほしい」 (2ページ目)
【今後もレギュラーの可能性は高い】
極めて苦しいスタートを切った状況だが、バレンシアには際立ったパフォーマンスでチームを牽引してくれる選手は存在しない。そんななか、佐藤は誰よりもチームに貢献しようと尽力している数少ない選手のひとりだ。実際、セルタとの開幕戦(0-0)で先発した佐藤をベンチに下げたカルロス・コルベラン監督の決断に対し、メスタージャのサポーターから非難のブーイングが飛んでいたことからもそれがわかる。
ケガ人続出で、起用できるウイングが不足している現状を考慮すると、今後も佐藤がレギュラーの座を維持する可能性は非常に高い。また、チームに佐藤のような特徴を持つウイングがいないことも、先発起用される上で重要な要素となっている。
佐藤と同じポジションには、他にもコルベラン監督の気に入っている選手がいるが、佐藤とはタイプが違う。さらにその質の高さにより、佐藤はサイドだけでなく、トップ下としても起用可能だ。このポリバレントな能力はチームの他の選手には見られないストロングポイントである。
彼は加入直後からサポーターやチームメイトにインパクトを与えた。最初の練習に参加した際、複数の選手がその高いプレーレベルに驚きを隠せなかったようだ。なかでも、狭いスペースでの卓越したスキル、相手を抜き去るスピードや能力が称賛されていた。
加えて、様々なことに積極的に取り組む姿勢、新しい国や街に適応しようとする意欲も好印象を与えている。語学力を向上させるべくスペイン語のレッスンを受け、監督やコーチングスタッフ、そしてチームメイトとのコミュニケーションを円滑にしようとピッチ外でも努力している。
一方で佐藤は、バレンシアが筆頭株主のピーター・リム氏による放漫経営で長年にわたり組織面とスポーツ面の両方で深刻な危機に陥っているクラブであることを理解し、これに順応しなければならない。
リム氏の投資が最低限にとどまっていることで、チームは毎シーズン残留争いを強いられている。バレンシアは過去、欧州カップ戦出場やタイトル争いに慣れたクラブだったため、今の極めて難しい状況を受けて、クラブとサポーターとの間に大きな緊張を生み出している。
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