【ワールドカップ】サッカー日本代表はぬるま湯? 世界では勝てなかった代表監督が次々と去っていった (3ページ目)
【「見捨てられた」ビエルサ】
同じ頃、南米でもひとりの名将が静かに"限界"を迎えていた。ウルグアイのマルセロ・ビエルサ。サッカーを愛する者なら、その名を知らない人はいないだろう。「エル・ロコ(狂気の人)」の異名を持ち、生涯をサッカーに捧げてきた男。ジョゼップ・グアルディオラをはじめ、多くの名将が「師」と仰ぐ存在でもある。そのビエルサが率いたウルグアイは、まさかのグループステージ敗退を喫した。最後の記者会見で、彼は重い言葉を残した。
「私は見捨てられた」
それは怒りというより、諦めにも近い口調だった。ウルグアイ協会は彼の話に耳を貸さなかったし、必要な支援も得られなかったのだという。チームのなかには少しずつ亀裂が広がり、一部の選手とはほとんど言葉を交わさなくなっていた。ベテランGKフェルナンド・ムスレラを起用し続けた判断も、結果として批判の的になった。ビエルサは敗れた。だが、彼を追い詰めたのは敗戦だけではない。孤独だった。理想を貫こうとした男は、その理想を共有する仲間を失っていた。だから彼は自ら終わりを選んだ。
韓国とウルグアイ。事情はまったく違う。だが、ふたりの代表監督の最後の姿には、ひとつの共通点があった。監督という仕事はその結果により、時に生活を奪い、誇りを奪い、居場所までも奪ってしまうのだ。ワールドカップはその残酷な現実を世界に突きつけた。
代表監督という職には、ふたつのお別れの仕方がある。結果を出せずに職を解かれる者。そして自ら終わりの時を悟り、静かに身を引く者だ。ディディエ・デシャンは後者だった。
2012年に混乱のなかにあったフランス代表の指揮を託されてから14年。その間に、彼はロシア大会でチームを世界王者へ導き、カタール大会で再び決勝の舞台へ立たせ、そして2026年大会でもベスト4入りを果たした。数字だけを見れば、これ以上ない成功と言っていい。それでも彼は大会前から「これが最後になる」と心に決めていた。
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