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【FIFAワールドカップ】優勝を狙うイングランドのキーマン デクラン・ライスが持つ最高の技術とは? (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【強烈なインサイドキックが武器】

 ライスはDFとしてデビューしている。MFに定着してからも守備力がまず注目されていた。188㎝と大柄で、寄せの迫力と力強いタックルが特徴である。読みが的確で、危険なパスコースを遮断し、スペースをいち早く埋める。

 攻撃面ではインサイドキックのスペシャリストだ。インサイドキックは誰でもできるし、最も多用されるキックなのだが、それだけにこのキックが特別にうまいことは大きなアドバンテージになる。ライスはパス、シュート、セットプレーで右足インサイドキックの威力を発揮している。

 おそらく内転筋が強いのだろう。長い距離のパス、シュートもインサイドキックで蹴っている。CK、FKでは大きくカーブする球筋、正確無比なコントロールで、アーセナル、イングランド代表に不可欠のセットプレーキッカーだ。最も正確に蹴ることができるインサイドで遠くへ飛ばせる能力は、実戦では非常に役に立つわけだ。

 遠くへ飛ばすインサイドキックでは、デビッド・ベッカムが特別だった。体を大きく使って旋回のパワーをボールに載せる蹴り方。ライスの場合、予備動作はそんなに大きくない。普通に蹴って遠くまで飛ばしている。ただ、インパクト後のフォロースルーがほぼないというところはベッカムと共通していて、特に曲げる時は蹴り足に体重を乗せて、インパクトした瞬間に足をそこで止める蹴り方。スピードのある曲げ球に適している。

 トリッキーな足技などは全く使わない。伝統的にイングランドの選手は質実剛健で、テクニカルには見えないかもしれないが、ボールを止める・蹴るという最も使用頻度の高い技術はしっかりしている。ライスはその典型と言えるだろう。基礎技術の高いハードワーカーという点で、いかにもイングランドの選手らしくもある。

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