検索

【FIFAワールドカップ】ポスト・メッシ有力候補の21歳 アルゼンチン伝統の10番とは違うスタイル (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【新しい10番】

 父親のパブロ・パスもプロ選手で、アルゼンチン代表にもなったセンターバック(CB)だった。父のDNAなのかニコ・パスも体が大きくフィジカルの強さもあり、育成年代では当初CBだった。その後、FWやMFでプレーするようになった。

 ブレイクしたコモでもトップ下でプレーするが、プレッシングもしっかりやるし、自陣深く戻り、長いリーチを利してタックルでボールを奪う。

 カナリア諸島の生まれ。テネリフェ→レアル・マドリードとスペインで育った。9人の味方にプロテクトされるアルゼンチンの10番と違い、ポジショナルプレーのなかで攻守を要求される文化で育成された。環境の違いが大きいのだろう。

 守備軽減のかわりに攻撃面で圧倒的な能力を示す、アルゼンチン式10番の濃厚さはニコ・パスには感じない。もう少し薄味。何もかも背負わせるより、インサイドハーフやサイドハーフとしてプレーするほうが適任ではないかと思う。そもそもメッシの代役は誰もできない。

 ニコ・パスは伝統を継ぐ新しい10番ではなく、従来の系譜とは違うという意味での新しい10番なのだ。

連載一覧>>

著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

【画像】FIFAワールドカップ2026グループ分け/日程/出場国主要フォーメーション&メンバー

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る