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サッカー日本代表のMF陣に割って入るか オランダでプレー中の22歳が評価急上昇中 (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【日本人選手の典型。欧州サッカーの需要に合う】

 兄の佐野海舟は日本代表でも不可欠のボランチになりつつある。足腰の強さは兄弟の共通点だ。佐野航大は俊敏で運動量抜群、技術も高く判断が速い。足技のうまさ、得点力では兄をしのぐ。

 NECではダルコ・ネヤシュミッチとボランチを組むが、ネヤシュミッチは3バックの前に残るタイプで、佐野はより攻撃的で攻守をリンクする8番の役割。複数のポジションをこなせるが、ここが一番活躍できるのではないか。動きが速くてしかも前後に大きく動ける。守備も攻撃もできる。縦横無尽に働ける能力を発揮しやすい。

 全試合に先発出場というタフネス、22歳の若さも魅力だ。現在の好調を維持するなら、夏には多くのクラブからオファーがあるに違いない。

 佐野はある意味、日本人選手の典型だと思う。

 技術がしっかりしている。俊敏で献身的に動ける。判断が的確でコレクティブなプレーができる。これらはまさに日本人選手の特徴と言える。近年、欧州で活躍する日本人選手が急増しているのは日本人選手のレベルが上がったこともあるが、欧州側の需要も高まっているからだ。

 まず、ハードワークが求められている。テクニックが抜群でも走れない選手は使いにくくなった。

 フランス代表のディディエ・デシャン監督はキリアン・エムバペについて、「11キロ走ることを要求すべき選手ではない」と話していて、エムバペの決定力や突破力には1試合に11キロ走るのとは別の価値があると認めている。ただ、エムバペのような選手ばかりではチームは立ち行かないのだ。

 エムバペとヴィニシウス・ジュニオールを擁しているレアル・マドリードは壁に突き当たっている。およそ特例はひとりだけで、フィールドプレーヤー9人のハードワークは必須なのだ。そうでなければボールは相手に支配され、優勢に試合を進めることが難しくなる。

 しかし、走れるだけでは足りない。ちゃんとボールを扱えて攻撃でも貢献できる選手が求められている。とくにビルドアップの原則を理解していて、さらに奪ったボールを無駄なく前進させられる技術とビジョンがあること。1秒を無駄にするかどうかでカウンターの成否が決まってくるからだ。

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