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【FIFAワールドカップ】サッカー日本代表は楽勝? 警戒? チュニジアの攻撃の中心、ハンニバルのプレーを分析 (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【唯一のプレミアリーガー】

 欧州各国のクラブでプレーしている選手が主力のチュニジアだが、プレミアリーグはハンニバルだけだ。そのせいか、ひとりだけプレーの基準が違っているように見えた。

 4-1-4-1の守備において、相手のセンターバックが守備側のセンターフォワードと同じラインか越えるところまでボールを持って前進してきた場合、インサイドハーフがプレスをかけるのがセオリーだ。ハンニバルはセオリーどおり前に出てプレッシャーをかけていた。ところが、周囲が連動していない。結果的にハンニバルが前進することでスペースが空いてしまう始末だった。

 ハンニバルが周囲と違う判断で動いてしまっているとも言えるが、これで全体が連動しないのならハイプレスへ移行する機能がないということになってしまう。実際、そのために攻め込んでも逆襲を食らいやすく、失点の多さにつながっていた。

 攻め手の少なさとともに、押し込んだあとの守備が整備されていない。守備的に戦う術は知っているが、攻撃的に振る舞うのは攻守ともに不得手のようだ。

 ハンニバルはラウンド16で敗れたあと、「我々は多くを学ばなければいけない」とコメントを残している。プレミア基準からすれば未整備な部分が多いからだろう。

 日本はチュニジアに敗れた4年前と比べると、ハイプレスの手順と威力において各段に進歩した。北アフリカの技巧に翻弄されることはたぶんもうないだろう。だが、残り半年、チュニジアがどの程度進化するかはわからないが、その中心にはハンニバルがいるはずで、いるべきである。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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