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【FIFAワールドカップ】サッカー日本代表は楽勝? 警戒? チュニジアの攻撃の中心、ハンニバルのプレーを分析 (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【攻撃の組み立ての軸となるハンニバル】

 ナイジェリア戦は唯一、本来の堅守速攻型の戦い方になっていた。しかし、5バックで守備を固めていた前半に1点を失った。そのため4バックにして攻撃に出ようとしたら、逆に2点を失って0-3。3点差で気を抜いたのかナイジェリアの強度が落ち、終盤に2点を返したが2-3で敗れている。

 ラウンド16のマリ戦は26分に相手が退場者を出して10人だったにもかかわらず、ようやく得点できたのが88分。しかしアディショナルタイムに同点とされ、延長でもスコアは動かず。PK戦での敗退となった。

 守備を固めた相手に対して、チュニジアはサイドからシンプルにクロスボールを蹴り込むくらいしか攻め手がない。ドリブルで勝負できるタイプが少なく、パスワークでこじ開けることもできず。長身選手が多いのでセットプレーには威力があったが、引かれると崩せない傾向がはっきりと出ていた。

 攻撃を牽引するのはインサイドハーフのふたり。33歳のベテラン、フェルジャニ・サシとこの1月で23歳になる中心選手の貫録のハンニバルである。

 左側を担当するハンニバルは頻繁に下がってDFからボールを預かり、その間に左サイドバックのアリ・アブディが入れ替わりに高い位置へ進出する。この可変はそれなりに有効なのだが、アブディはドリブラーではなくクロッサーで、そのクロスの質もそこまで高精度とは言えず、一応形にはなっているものの威力はさほどなかった。

 ハンニバルは精力的に動いて組み立ての軸となり、ときおりみせるスルーパスも効果的。FKやCKのキッカーとして鋭くカーブするボールを供給する。ライオンのたてがみのようなヘアスタイルと技巧は印象的だった。

 チュニジアは2022年のキリンカップの時に来日している。その時は日本を3-0で破っての優勝だった。遠藤航を封じて日本の組み立てを阻害、カウンターアタックで着実に得点を重ねる堅守速攻のチュニジアらしいプレーぶりだった。

 10代だったハンニバルも才能の片鱗を見せていた。当時はマンチェスター・ユナイテッドに所属。その後、バーミンガム、セビージャへの期限付き移籍を経て、現在はバーンリーでプレーしている。

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