三笘薫の次節マンチェスター・シティ戦は今季の試金石に 縦への突破に何度トライするか (3ページ目)
【グリーリッシュと比較すると...】
対戦相手のエバートンで左ウイングを張ったのはジャック・グリーリッシュだった。昨季までマンチェスター・シティに所属していたイングランド代表である。ジェレミー・ドク(ベルギー代表)の成長などで出場機会を減らし、今季、エバートンに移籍してきた。
ビッグクラブへの移籍を狙う三笘にとって、指針、あるいはバロメーターになる選手だ。三笘にとってエバートン戦は、グリーリッシュより活躍したい試合だった。
ところが1対1に消極的になる三笘とは対照的に、グリーリッシュは前半23分、決定的なプレーを披露する。逆襲からマークにきたブライトンの右SBマッツ・ウィーファー(オランダ代表)を、2ステップを踏んで縦に抜ききると、左足でマイナスに折り返した。
それはエバートンに先制点が生まれた瞬間だった。イリマン・エンディアイエ(セネガル代表)がこれをプッシュ。グリーリッシュは見事なアシストを記録した。
縦突破が決まれば内も決まる。後半7分。左サイドでボールを受けると、グリーリッシュはウィーファーに加え、MFカルロス・バレバ(カメルーン代表)まで引き寄せることに成功した。そこでスッと横にボールを出すと、ジェームズ・ガーナー(元U-17イングランド代表)が反応。強烈なミドル弾をブライトンゴールに突き刺した。
タイプの異なる2アシストを記録したグリーリッシュ。比較をすると三笘の低調ぶりはより顕著になるのだった。
三笘のパフォーマンスが消極的になった理由を考えた時、ひとつ思い当たるのは森保ジャパンでの使われ方だ。ウイング、サイドハーフより、さらに低い立ち位置が求められるウイングバックでプレーすることが災いしている可能性を否定することはできない。
次戦のマンチェスター・シティ戦は、選手としての今後を考えるとアピールしたい試合になる。対峙するのはリコ・ルイス(イングランド代表)だ。この20歳の小柄なSBは、マイボールに転じると中盤へ移動する。
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