2026年のワールドカップ観戦への心得 最大の問題とされる酷暑よりも大変なことがある (2ページ目)
たとえば、現地6月18日にシンシナティで行なわれたパチューカvsザルツブルクでは、雷雨で試合が中断。これは事前に天気予報でかなり正確な降り出し時間が把握されており、ある意味で予定されていた中断ではあったのだが、選手はもちろん、観客にとっても余計な準備を強いられる。
また、同6月26日にフィラデルフィアで行われたザルツブルクvsレアル・マドリードでも、日中は30度を超える暑さだったのに、試合開始の少し前から冷たい風が吹き始め、キックオフを待っていたかのように激しい雨が降り出した。
この日は試合が中断するほどではなかったものの、来年のワールドカップも天候には注意が必要な大会になるのだろう。
その一方で、芝の問題は、昨年の同時期に行なわれたコパ・アメリカのときほど話題になっていない。
アメリカのスタジアムでは、ドーム型はもちろん、屋外型でも、人工芝を使っているところが多いが、今大会はその上に天然芝を敷き詰め、試合が行なわれている。
昨年のコパ・アメリカではそれがあまりにも雑な処置だったため、上に乗せた天然芝がはがれたり、つなぎ目がずれたりと、各国の選手や監督から不満の声が多数聞かれたが、今大会ではそれがない。
FIFAも、アメリカの大学との共同研究で準備を進めた天然芝にはかなり自信を持っており、ある関係者は「芝は完璧だ。CONMEBOL(南米サッカー連盟)とは違う」と断言する。
ワールドカップ本番では、会場ごとの試合数も増えるため、特にドーム型のスタジアムを中心にまったく不安がないわけではないが、今のところ、大きな心配はなさそうだ。
ただ、正直なところ、アメリカを訪れてみて一番感じるのは、来年開催されるワールドカップに対する関心の低さ。現在開催中の今大会も含め、どの都市にも高揚感というか、盛り上がりというか、大きな大会が来年に迫っているという雰囲気がまったくと言っていいほどないのだ。
空港や街にポスターやバナーなどはなく、テレビのニュースを見ていても、話題はシーズン真っただなかのMLB、ちょうどドラフトが行なわれたNBAとNHL、新シーズンに向けたキャンプ中のNFLが中心。サッカーについては、まったくと言っていいほど触れられることがない。
実際、大会前に立ち寄ったカンザスシティで、大学やプロチームなどが所有する施設をキャンプ地としての活用へ、ワールドカップに出場する各国代表チームの招致に動いている、とのニュースを目にしたくらいだ。
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