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チャンピオンズリーグ決勝の行方をインテルのサネッティ副会長に聞く いま注目する日本人選手は? (2ページ目)

  • セルヒオ・レビンスキー●取材・文 text by Sergio Levinsky
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

【決勝はわずかなディテールが勝敗を分ける】

――では今週末にミュンヘンでキックオフを迎える今季のCL決勝、インテル対パリ・サンジェルマンの行方を占ってください。

「トップ中のトップレベルの決勝であり、今大会のベストチームのふたつが激突するので、わずかなディテールが勝敗を分けるのではないでしょうか。能力の差はほとんどなく、どちらも攻撃的にも守備的にも、うまく戦えるチームです。うちのシモーネ・インザーギ監督はこの4年間、見事な手腕を見せて、選手の心身のスタンダードを高め、技術と戦術も磨き上げてきた。2年前にはイスタンブールで開催されたCL決勝に辿り着きましたが、グアルディオラ監督が率いたマンチェスター・シティに初優勝を遂げられてしまった。

 その悔しさを糧にさらなるレベルアップを遂げ、今大会ではアーセナルやバイエルン、バルセロナを下してここまで来た。ソリッドな組織と決定力の高い2トップを身上とする強固なチームです。相手のパリ・サンジェルマンにも、似たようなところがありますね。キリアン・エムバペ、リオネル・メッシ、ネイマールといったスーパースターはいなくなりましたが、だからこそ、誰もがハードワークできる献身的なチームになっています。そして、すばらしいアタッカーもいる。ルイス・エンリケ監督の手腕には脱帽です」

――ずばり勝つのは?

「もちろんインテルです、と言いたいところですが、当日に少しでも状態がよく、ツキを味方にしたほうが優勝するでしょう」

――過去5年、チェルシーが2度目の欧州制覇を遂げ、マンチェスター・シティが宿願のCL優勝を果たしました。もし今季、パリ・サンジェルマンも初優勝したら、いよいよビリオネアやオイルマネー、国家ファンドに支えられた新興勢力の時代が到来するのでしょうか。インテルのような伝統的なビッグクラブとしては、この状況をどう見ていますか?

「時代の趨勢と言えるのかもしれませんね。われわれインテルだけでなく、レアル・マドリード、バイエルンのような伝統的なクラブも、そうした無限に近い資本に支えられた新たなビッグクラブの勢いを感じているはずです。とはいえ、我々には我々の強みがあるし、様々なものを駆使して対抗していくしかない。常にクリエイティブに考え、よいアイデアを用いて、トップレベルの熾烈な争いを生き抜いていくしかないのです」

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