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鈴木彩艶の「ボールを踏む技術」に進化の証 南雄太は「日本のGKの歴史を大きく変える」と絶賛 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【いずれはプレミアリーグの正GKへ】

 これは僕も指導する時によく言うことですが、GKは一歩でキックできるところにボールを置き続けられるかが重要なポイントになる。そのためには『ボールを踏む』という技術を身につけるのが合理的だと考えます。

 パルマでの鈴木のプレーを見てみると、その技術をセリエAの舞台でも使っていました。一歩でボールを動かし、あれだけ飛距離のフィードを繰り出せるのは、現代サッカーのGKには大きなストロングになるでしょう」

 一つひとつのプレーから成長を確認したという南氏は、今後の鈴木にどのような未来を感じているのだろうか。

「たしかに以前の鈴木には、苦手としていると思われるプレーもありました。たとえばアジアカップの時は、身体能力が高いがゆえに繊細なステップを踏めなかったというか、ステップが合わなくて弾けなかったシュートもありました。

 でも、現在の鈴木を見ていると、そういった細かい部分もしっかり改善されています。この体格でこれだけのステップが踏めるのなら、まさに『鬼に金棒』でしょう。とにかくイタリアに行ったことで、いろいろな部分がよくなったことは間違いないですね。

 しかも、まだ年齢は22歳です。22歳でセリエAの正GKということは、このまま順調に成長してくれれば、30歳になった頃にはどのレベルのGKになっているのか。もはや想像もできないくらいです。きっと、これからいろいろな経験を積むことによって、誰も追いつけないくらいのGKに成長してくれる気がします。

 だから鈴木には、期待と楽しみしか感じません。ぜひ彼には日本のGKのパイオニアとして、いずれはプレミアリーグのクラブの正GKとして活躍してほしいですね。それによって、日本のGKに対する世界のイメージが変わるはずです」

 今夏もステップアップ移籍の噂が絶えない鈴木は、これからどのようなキャリアを歩んでいくのか。鈴木の今後に注目したい。

(第6回につづく)


【profile】
南雄太(みなみ・ゆうた)
1979年9月30日生まれ、東京都杉並区出身。静岡学園時代に高校選手権で優勝し、1998年に柏レイソルへ加入。柏の守護神として長年ゴールを守り続け、2010年以降はロアッソ熊本→横浜FC→大宮アルディージャと渡り歩いて2023年に現役を引退。1997年と1999年のワールドユースに出場し、2001年にはA代表にも選出。現在は解説業のかたわら、横浜FCのサッカースクールや流通経済大柏高、FCグラシオン東葛でGKコーチを務めている。ポジション=GK。身長185cm。

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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