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PSGがチャンピオンズリーグ準決勝で先勝 アーセナルよりその攻撃が多彩だった理由 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 一方、アーセナルはマルティネッリ、トロサール、サカの3FWが揃ってフル出場した。彼らに代わる有力な選手がいないことが白日の下に晒される形となった。

 5月7日にパルク・デ・プランスで行なわれるセカンドレグには、この日、累積警告で出場できなかったMFトーマス・パルティ(ガーナ代表)が復帰する。1トップにはトロサールではなく、MFのメリーノがインサイドハーフから0トップにポジションを上げてプレーするものと思われる。変化をつけられるとすればその程度だ。

 PSGは多彩、変幻自在だ。クヴァラツヘリア、ドゥエといった、今が旬な選手のウインガーの存在が、チームに勢いをもたらしている。交代選手を含めて、サイド攻撃でマルティネッリとサカしか使える選手が見当たらないアーセナルを上回る。

 そして注目すべきは、試合の終わり方だ。終盤、立て続けにチャンスをつかんだのはPSGだった。PSGが先行しても、アーセナルが盛り返してそのまま試合が終わっていれば、セカンドレグに向けての流れはアーセナルにあっただろう。その意味で後半33分ジョアン・ネヴェス(ポルトガル代表)、後半39分バルコラ、後半41分ラモスと決定機をつかんだことは、決まらなかったとはいえ、PSGにとっていい終わり方だったと言える。

 心配な点はこの日、故障でベンチに下がったデンベレの症状である。セカンドレグの行方を左右する一番の要素となるだろう。

 とはいえ試合はわずか1点差。結果はいかに。楽しみだ。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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