抜群の攻撃力誇るバルサと堅守速攻のインテルが激突...チャンピオンズリーグ(CL)4強決定 (2ページ目)
【大きいレバンドフスキの存在】
試合直前の練習でパンデフがケガをしたためだとされるが、パンデフはアタッカーでキブーはディフェンダーだ。気がつけば布陣まで従来の4-2-3-1から5-2-3に変わっていた。突如、作戦を変更してきたのだ。
本当にパンデフはケガをしたのかは怪しい限りであるが、この守備的な作戦はズバリと的中する。このセカンドレグはバルサが1-0で勝利したが、ファーストレグが3-1でインテルが勝利を収めていたため、合計スコアは3-2。モウリーニョ率いるインテルが守り倒すことに成功した。
決勝に進出したインテルは、サンティアゴ・ベルナベウで行なわれた決勝でもバイエルンを下し、優勝を飾った。15年前の話だが、その後、5バック志向のチームがCLを制したのはトーマス・トゥヘルが率いた2020-21シーズンのチェルシーしかいない。
シモーネ・インザーギ監督率いる現在のインテルは、そうしたCLの潮流を覆すことができるのか。ある時期、特に1990年後半から2000年台前半に掛けて、イタリアといえば守備的サッカーと、相場は決まっていた。鋭いカウンターを武器に、敵を一刺しするサッカーで欧州を席巻した。その後、イタリアでも守備的サッカーから脱するチームが増えていったが、インザーギ率いるインテルはまさにかつてのイタリア的手法で臨んでいる。堅守速攻。なにより守備が固い。5人で守るので当然といえば当然だが、この牙城をバルサは崩すことができるか。
対するバルサの強みはアタッカー陣のバランスがいいことだ。ラミン・ヤマル(右)、ロベルト・レバンドフスキ(中央)、ラフィーニャ(左)。トップ下にはケガから回復したダニ・オルモが座るのではないか。
そのなかで、いまあらためて大きな存在に映るのがレバンドフスキだ。トップにボールが収まるサッカーを可能にしている。遅攻に選択肢が多く、安定感がある。
PSGにもアーセナルにもこの魅力はない。ウスマン・デンベレ(PSG)とミケル・メリーノ(アーセナル)。それぞれのワントップと、レバンドフスキとの違いは明白だ。
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