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久保建英に現地紙は激賞「やりたい放題」 ヨーロッパリーグ16強を引き寄せる決勝弾 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【とどめを刺すことはできず】

 何より久保は、完全に敵を凌駕していた。得点後も、相手を翻弄。相手ふたりを引きつけ、味方にパスし、簡単に守備陣を篭絡した。さらにドリブルでふたりをはがし、際どいスルーパスで脅かす。突破、仕掛けもそうだが、たとえボールを失っても、即座に奪い返した。局面で作り出す"有利"を、チーム全体に波及させていたと言えるだろう。

「Desatado」

『アス』紙は久保のプレーを、スペイン語で「手に負えない、やりたい放題の」と評している。

 もっとも、相手のミッティランが、「いつも対戦する相手よりも高いレベルに、チームとして戦い慣れしていなかった」というのも事実だった。ロングスローを多用するあたりは、その程度で勝ち抜ける相手と日頃、対戦しているのだろう。変則的な奇襲は、高いレベルでは通じない。

 またミッティランは、久保に対してあまりに軽率だった。ブラジル人左サイドバック、パウリーニョが久保番となって、スプリント力と、出足の良さで健闘していたが、たったひとりで止められるはずがない。失点シーンでも久保と1対1に。今や久保を包囲するような守備が定番になっている状況で、あまりに無謀だった。スカウティングや対策など、戦術レベルであまりに拙かったと言えるだろう。

 久保の決勝点は、ラ・リーガという高いレベルで日常を戦う百戦錬磨の証明だった。

 一方で、後半のラ・レアルは追加点のチャンスがありながら、とどめを刺すことができていない。

 ストライカーに指名されたオーリ・オスカールソンは前半、久保の折り返しを決められず、後半にはフリーのヘッドも枠に入れられなかった。必死に体を張っていたが、ポストプレーも未熟。コンビネーションには改善も見られるが、現状では厳しい。ちなみに交代でオスカールソンに代わって入ったミケル・オヤルサバルも終盤に絶好機を外していた。

 セカンドレグ、もし敗北の伏線があるとすれば、このあたりになりそうだが......。

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