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プレミアリーグを彩るマンチェスターのふたつのクラブ ユナイテッドとシティの興亡 (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【マンチェスターは憧れの対象】

 ユナイテッドがチャンピオンズカップで優勝した1968年にFLを制覇したのはライバルのマンチェスター・シティだった。その後は10位前後のシーズンが続いたが、シティは1971-72年シーズンにも4位に入っている。

 MFのフランシス・リーとFWのコリン・ベルが当時のスターだった。ともに1970年のメキシコW杯でイングランド代表として戦った選手だ。しかし、ユナイテッドのスターたちとは違って、どちらも典型的なイングランドスタイルのフットボーラーだった。

 そんなわけで、『ダイヤモンド・サッカー』ではマンチェスターのふたつのチームが再三取り上げられたので、僕たちの世代のサッカーファンにとって「マンチェスター」という都市は大きな憧れの対象となった。

 また、このコラムでも以前に書いたことがあるが、僕は1972年秋にロンドンでアーセナルの試合を観戦する機会があったが、その時の対戦相手が前シーズンに4位に入ったばかりのシティだった。だから、僕にとってマンチェスターというのはさらに親近感のある都市になった。

 しかし、その後、マンチェスターのふたつのクラブは低迷期に入る。

 ユナイテッドは、シティが優勝した1967-68シーズンにはFLで準優勝した(つまり、マンチェスター勢がワンツーフィニッシュ)。だが、その後は次第に成績を下げていく。そして、1973-74シーズンには21位に終わり、FL2部へ降格してしまった。

 翌シーズンに2部で優勝してすぐに1部に復帰したものの、1部優勝は1992-93シーズンを待たなくてはいけなかったのだ。再び、ユナイテッドを輝かせたのは、あのマット・バスビーと同じスコットランド人のサー・アレックス・ファーガソンだった。

 一方、シティの方も浮き沈みが激しい時期が続き、1982-83シーズンにはついに2部降格を味わうことになる。そして、1部と2部を行ったり来たりしながらも、1992年にはなんとかプレミアリーグの創設メンバーに選ばれた。しかし、1996年にはプレミアから降格。さらに、1998年には3部に当たるFLディビジョン2にまで降格してしまった。

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