プレミアリーグの日本代表選手をイギリス人記者が分析 鎌田大地、遠藤航、菅原由勢の現地評は? (2ページ目)
【今では重要な戦力のひとり】
遠藤航(31歳)/リバプール(前半戦順位:1位)
プレミアリーグ前半戦評価:C(AからEの5段階)
昨季のパフォーマンスにより、遠藤航はリバプールのファンのカルトヒーローとなった。エネルギッシュなハードワーカーはユルゲン・クロップ前監督のチームにフィットしていたが、今季からチームの指揮を執るようになったアルネ・スロット新監督の信頼は、まだ掴めていない。
とはいえ、完全に道が閉ざされたわけではない。今シーズンのプレミアリーグではまだ一度も先発していないが、4つのコンペティション――プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、FAカップ、リーグカップ――を戦うチームには、遠藤が必要になる時が来るはずだ。
2024年の最終戦となった第19節ウェストハム戦では、今季最長の出場時間となる33分(+アディショナルタイム)を記録。試合後にスロット監督は遠藤について、次のように語っている。
「短い時間の出場を嫌がる選手はいるものだが、彼はこちらの要求を受け入れ、チームのために働いてくれる」
また12月18日に行なわれたサウサンプトンとのリーグカップ準々決勝では、センターバックとして先発し、クラブが選ぶマン・オブ・ザ・マッチに輝いている。汎用性の高さを示し、自らの可能性を広げるとともに、指揮官にも有用なオプションをもたらした。
振り返れば、今季序盤戦でスロット監督が遠藤を起用しないことから、ドイツへの移籍が囁かれていたが、おそらくその線は消えたはずだ。この冬のマーケットでも動きはないと予想する。
なぜなら指揮官はこの半年の間に、遠藤の練習での姿勢や、短時間でもピッチで任務を遂行する姿に感銘を受け、今では重要な戦力のひとりとして考えているようだから。
「試合数が多いチームは、11人だけで戦うことはできません」と遠藤は昨年9月に語っている。「いずれ、自分の出番が来るはず。フィジカルコンディションは問題ないし、充実したトレーニングができている。この年齢で経験も積んでいるので、試合勘も問題ない」
少ない時間でもピッチに立てば、その言葉どおりのプレーをする。国内のライバル、フラムが熱視線を送っているとも報じられているが、リバプールに留まり、自身の役割を全うし続ければ、その先には大きなタイトルが待っているかもしれない。
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