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三笘薫の交代直後に同点に 格下相手に勝てないブラントンに何が起きているのか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【定まらないブライトンの布陣】

 この手の采配ミスは、監督のカリスマ性を低下させる。前戦はこの逆のパターンで敗れていた。左右非対称の3-4-2-1を4-2-3-1に変えるや、1-1から1-2とされる決勝弾、さらには1-3とされるダメ押し弾を浴びていた。采配ミスを2週続けている。前任のロベルト・デ・ゼルビ監督にはなかった問題である。

 ブライトンは3バックか4バックかで揺れている。ハーツラー監督は昨季まで采配を振ったザンクトパウリ(当時ブンデスリーガ2部)では、3-4-3に近い3-4-2-1で戦っている。4-2-3-1を使うようになったのは、ブライトンに来てからだ。前任者のデ・ゼルビが4-2-3-1で戦っていたので、それに合わせようとしたのだとすれば、日本代表に就任した頃の森保一監督と境遇が似ている。

 西野ジャパンまで、日本代表は10年以上、4バックをメインに戦ってきた。森保監督もそれに従ったのだが、結局3-4-2-1に原点回帰。三笘をウイングではなくウイングバックで起用している。

 ハーツラー監督は先述のように、前戦のフラム戦では3-4-2-1を変型させ、三笘を2シャドーの一角というより、ウイングに近いポジションに据えた。一方、このレスター戦では三笘を下げたあと、左右対称の5バックになりやすい3-4-2-1に変更した。今後、採用する布陣はどうなっていくのか。三笘はその影響を受ける可能性はあるのか。

 三笘の話をすれば、ここ数試合、自慢の縦抜けを決めることができていない。なにより1対1の状況で仕掛ける頻度が減っている。レスター戦では、対峙する右SBジェームス・ジャスティン(イングランド代表)に1度、挑んだのみ。しかもフェイントで逆を取ることができず、ボールを奪わるハメに陥った。

 フラム戦も三笘の縦抜けはゼロだった。対峙する右SBティモシー・カスターニュ(ベルギー代表)に仕掛けはしたが、抜きにかからず、右足のアウトで中央に差し込むようなパスを送っている。その数、実に3回。右足のアウトで折り返す頻度は増している。

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