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【欧州CL】守田英正は見せ場を作れずも、スポルティングがマンチェスターCに大逆転勝利 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【マンチェスター・シティに出た綻び】

 マンチェスター・シティはその後も、遠慮なく攻勢を仕掛ける。ボールを支配してスポルティングゴールに迫った。前半30分、フォーデンの左からの折り返しをアーリング・ハーランド(ノルウェー代表)がボレーで枠内に飛ばせば、前半36分にはMFベルナルド・シウバ(ポルトガル代表)が左足で際どいシュートを放っていた。
 
 その一方でスポルティングも前半8分、1トップのビクトル・ギェケレシュ(スウェーデン代表)が、相手GKエデルソンと1対1になるチャンスを掴んでいた。ループシュートはやすやすとキャッチされたが、そのボールをグイグイと運ぶ力は圧巻だった。

 知名度で勝るのはノルウェー代表の1トップ(ハーランド)だが、隣国スウェーデン代表のCFギェケレシュも負けてはいなかった。前半38分には、欧州のビッグクラブにアピールするようなビッグプレーを再び見せつけることになった。

 17歳の右ウイングバック、ジオバニー・クエンダ(ポルトガル代表)の縦パスを受けると、マークに来た19歳の相手CB、ジャフマイ・シンプソン・ピュゼー(イングランド)の圧力をはね除けるような力強いアクションから、試合を振り出しに戻す同点弾を決めたのだった。

 4-3-3を敷くマンチェスター・シティは、相手ボールに転じると、右SBの19歳、リコ・ルイス(イングランド代表)が中盤に上がる3-4-3に変化する。ジョゼップ・グアルディオラがバルサ監督時代にたびたび使用した、中盤ダイヤモンド型の3バックだ。

 この布陣を用いてアヤックス監督時代、欧州一に輝いたルイス・ファン・ハールは、「あらゆる布陣のなかで、最もパスコースが多い布陣だ」と筆者がインタビューした際、力説したものだ。日本代表の森保式のように、3バックは8割方守備的サッカーで締められるが、このアヤックススタイルは例外に属する。むしろあらゆる布陣のなかで最も攻撃的と言ってもいいくらいだ。

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