バルセロナがレアル・マドリードに大勝 林陵平がクラシコの勝負の分かれ目を徹底解説 (3ページ目)
【バルセロナは後半出場のフレンキー・デ・ヨングが大きかった】
後半、バルセロナはフェルミン・ロペスに代えて、フレンキー・デ・ヨングを入れてきました。デ・ヨングがピボーテ(ボランチ)に入り、ペドリを1列前に出しました。
これでバルセロナの何が変わったかというと、ボールを保持する時間です。デ・ヨングがかなりボールを引き受けてターンするなど、プレス回避のところで個人で時間を作れるようになったのが大きかった。
こうなると、レアル・マドリードはハイプレスにいきたくてもいけなくなる状況が生まれます。バルセロナは全体のラインを押し上げられて、やりたいことができるようになり、流れが変わりました。
そうしたなか、54分、バルセロナに先制点が生まれました。中盤でカサドがボールを持って前を向いた時に、ロベルト・レバンドフスキが相手の最終ラインの背後をとり、スルーパスを受けて決めました。この時、前線中央にはペドリとラフィーニャがいて、レアル・マドリードの2CBがこれについていた。レバンドフスキの飛び出しについていた右SBのルーカス・バスケスはオフサイドをとろうと動きを止めましたが、左SBのメンディが少し残っていました。
このシーンを見ると、DFラインを揃えて上げるというのは簡単なようでそうではないと感じます。CBがラインを上げても、SBの選手は相手のウイングの位置に結構引っ張られて残ってしまいがちなんです。バルセロナはラインを揃えて上げられていましたが、レアル・マドリードはそうではなかった。
バルセロナは56分に2点目と畳みかけましたが、このシーンでも中盤でデ・ヨングが一度前後のパス交換で相手を食いつかせてから空いた左奥へパス。そこにバルデが走り込み、クロスからレバンドフスキがヘディングシュートを決めました。ここにもデ・ヨングの才能をすごく感じました。
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