【現地取材】久保建英、後半から出場して流れを引き寄せるが...裏目に出たソシエダ指揮官の采配
10月27日(現地時間)、ラ・リーガ第11節、レアル・ソシエダ対オサスナ戦の撮影取材のため、スペイン北部のバスク州サンセバスチャンを訪れた。
敵地でのヨーロッパリーグ、マッカビ・テルアビブ戦から中2日で迎えた今節、ソシエダの久保建英はベンチからのスタートとなった。久保はテルアビブ戦に先発し、75分までプレーしており、過密日程のなかで先発メンバーのローテーションが行なわれた。
オサスナ戦はベンチスタートとなった久保建英(レアル・ソシエダ)この記事に関連する写真を見る 試合の立ち上がりを優位に進めたソシエダだったが、CKとカウンター攻撃から前半のうちに2失点を負ってしまう。するとソシエダ指揮官イマノル・アルグアシルは、後半開始から久保を投入した。
久保は右サイドへ入ると、ファーストプレーでシュートまで持ち込み、ゴールへの強い意志を感じさせた果敢にドリブルでの突破を試みる。久保にボールが回るたびに、スタンドからは祈るような「KUBO」という掛け声があがった。
久保の投入により流れは完全にソシエダのものとなったが、あと一歩ゴールに結びつけることができずにいた。
すると指揮官は、70分、3枚同時に交代を行ない、それとともに久保のポジションを右から左サイドへ変更する。だが、指揮官の決断が裏目に出てしまい、ソシエダは失速。
最終盤には、おそらく久保自らの意思で右サイドにポジションを戻したが、時すでに遅く、0-2でタイムアップを迎えた。
後半開始から出場すると悪い流れを変えた久保建英この記事に関連する写真を見る 久保は、途中出場ながら3本のシュートを放ち、好調さを感じさせたが、ラストパスの精度をやや欠いたきらいも。チームは今季5敗目を喫し、順位を12位に落としている。
週2試合の厳しい日程が続くのは確かだが、次戦(10月31日)は国王杯序盤のカードで、格下が相手となる。大幅な選手のローテーション起用も想定されるだけに、今節は久保を先発起用することもできたのではないか。
さらに、久保の投入でつかんだ流れを、ポジションの変更で止めてしまうなど、アルグアシル監督の采配にも批判は集まりそうだ。
著者プロフィール
中島大介 (なかしま・だいすけ)
1979年生まれ。2006年よりバルセロナ在住。サッカーを中心にヨーロッパ各地で様々なスポーツの撮影、スポーツ選手インタビュー、ポートレートの撮影など。AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。バルセロナでカフェも経営。