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18歳エンドリッキがレアル・マドリードで日々進化 歴代ブラジルFWにはない魅力とは? (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【俊敏でパワフル。歴代ブラジルFWにいないタイプ】

 エンドリッキは173㎝と小柄。俊敏さと得点能力はロマーリオ(1980~2000年代まで活躍)を彷彿させる。10代で頭角を表わしたことからロナウド(1990~2000年代に活躍)とも比較されているようだが、正直どちらにもあまり似ていないと思う。

 エンドリッキの魅力はパワーだ。小柄な体躯からは想像できない強烈な一発。利き足は左だが右でもかなり強いシュートを打つ。それもシュツットガルト戦で見せたように、ごく軽く蹴っているのに芯を食った高速シュートを打てる。ひと振りで決着をつけられるタイプだ。

 GKとの駆け引きに長けていて、その俊敏さでボックス内の王様だったロマーリオ。爆発的なスピードとテクニックを融合させた怪物ロナウド。歴代のブラジル代表には優れたストライカーが山ほどいるが、エンドリッキと似たタイプはあまりいない。

 左のパワーキッカーとしてはペペ(1950~60年代に活躍)、リベリーノ(1960~70年代に活躍)、エデル(1970~90年代に活躍)、ロベルト・カルロス(1990~2000年代に活躍)が思い浮かぶが、いずれもストライカーではない。アドリアーノ(2000年代に活躍)は左利きのパワフルなストライカーだったが、大柄でエンドリッキの俊敏さはなかった。

 カルロ・アンチェロッティ監督は「不公平ではある」と、エンドリッキに十分な出場時間を与えられないことにコメントしているが、エムバペ、ヴィニシウス、ロドリゴが健在である以上、それが自然である。

 しかし、第7節のアラベス戦でエムバペが負傷し、回復までに3週間を要するかもしれないと報道されている。エンドリッキが先発起用されるかどうかはともかく、これまでよりプレー時間が与えられる可能性は高そうだ。

 このチャンスをビーストの本領を発揮して活かせるかどうか。エムバペを霞ませるほどの活躍を見せたら、それはまた大きなニュースになりそうである。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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