セリエAのレギュラーGKやビッグクラブの一員も! 識者がおススメする欧州サッカーで注目の日本人選手たち (2ページ目)

【多くの日本人選手がプレーするブンデスリーガ】

林遼平(サッカーライター)

<期待の選手>
伊藤洋輝(バイエルン/DF)
町野修斗(キール/FW)
チェイス・アンリ(シュツットガルト/DF)

 欧州5大リーグで最も多くの日本人選手がプレーするドイツのブンデスリーガにおいて、最大の注目となるのは今夏バイエルンに加入したDF伊藤洋輝だ。昨季2位と躍進したシュツットガルトで最終ラインの要として存在感を発揮した伊藤は、元ベルギー代表DFヴァンサン・コンパニ監督のもとで新たなシーズンを迎えることになった。

 かつてバイエルンには宇佐美貴史(現ガンバ大阪)も在籍したが、主力選手として補強されたのは今回が初めて。2021年にドイツに渡って以降、着実に結果を残してきたことが評価されており、トップクラブでどれほどのパフォーマンスを見せるかに大きな注目が集まっている。

 残念なのは、開幕前に中足骨の骨折により戦線離脱してしまったこと。スタートダッシュを切りたいところでの出遅れは痛手だが、クラブが最終ラインの補強を行なわなかったことを考えても、伊藤の復帰が待たれている現状であるのとは明らかだ。チャンピオンズリーグ(CL)を含め、これまで以上にレベルの高い環境に置かれるなかで、さらなる成長を期待したい。

 ブンデスリーガ初挑戦組では、キールのFW町野修斗に大きな期待を抱いている。近年、ブンデスリーガでセンターフォワードのポジションを担うことができたのは浅野拓磨(現マジョルカ)くらいで、ストライカーとして得点量産を期待できる選手は少なかった。そういった状況のなか、在籍2年目にしてチームでの評価が上昇傾向にある町野には得点量産の可能性があると見ている。

 すでに今季の公式戦では2ゴールを奪取。開幕戦のゴールを見ても、チャンスをしっかりとものにする力がついてきた印象だ。欧州の舞台で圧倒的なパフォーマンスを披露すれば、待ち望む日本代表復帰も見えてくる。強敵たちを相手に"攻守に違いを見せる"ストライカーとして活躍する姿を楽しみにしたい。

 最後は期待値の高さでシュツットガルトのDFチェイス・アンリを推したい。これまでセカンドチームでのプレーが続き、開幕前の時点でもノーマークだった存在が、開幕戦での途中出場によるブンデスリーガデビューから一気に評価が爆上がり。その後の2試合にスタメン出場するなど、チームでの確かな立ち位置の変化を感じさせている。

 もちろん最終ラインにケガ人が続出した中でのメンバー入りだが、今季はCLなどもあるため今後出場機会が増加する可能性は大きい。すでに空中戦やフィジカルバトルで相手に通用することは証明済み。あとはビルドアップやポジショニングなどの細かいところを伸ばし、クラブでポジションを掴むことができれば、その先に日本代表という舞台が見えてくるはずだ。

遠藤航、冨安健洋、南野拓実など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

  • 林遼平

    林遼平 (はやし・りょうへい)

    1987年生まれ。埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして各社スポーツ媒体などに寄稿している。2023年5月からドイツ生活を開始。

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