欧州サッカー日本人選手市場価値のトップ10 久保建英、三笘薫、遠藤航......評価の高い選手は? (3ページ目)
【年齢が上でも実績ある選手に高評価】
8位の守田英正はスポルティング(ポルトガル)で抜群のゲームコントロール能力を発揮し、いまやプリメイラリーガを代表するボランチのひとり。リバプールが後述する遠藤航を30歳時に1900万ユーロ(当時約30億円)で獲得したことを考えると、29歳で1500万ユーロは適正か。年齢的にこれから上がることはなさそうだ。遠藤のケースのように、お買い得価格のベテランとしてステップアップの可能性もゼロではないと信じたい。
その遠藤は1300万ユーロで10位。昨季、新加入ながらリバプールで欠かせない戦力として存在感を示し、前述した約30億円の移籍金はバーゲンセールと評価された。31歳となった今でも高い市場価値があるのはその証である。ユルゲン・クロップ監督の長期政権が終わり、今季からアルネ・スロット新監督を迎え、新体制となるチームで昨季のような存在感を再び示すことができるか。
唯一ストライカーでランクインしたのが、セルティック(スコットランド)で3シーズンにわたってエースとして活躍する古橋亨梧。昨季14得点、一昨季27得点とストライカーとして十分な数字を残しているが、守田同様に29歳という年齢的に1300万ユーロは妥当な評価か。
トップ10入りとはならなかったが、1200万ユーロで11位に入った菅原由勢は今季からサウサンプトン(イングランド)へ移籍。レギュラーポジションを確保し、プレミアリーグで通用することが証明できれば、24歳という年齢的に市場価値は急上昇するはず。
そのほかにもスタッド・ランス(フランス)の中村敬斗やブレンビー(デンマーク)の鈴木唯人、パルマ(イタリア)の鈴木彩艶など、これから市場価値の上がる可能のある若手選手も多く、今シーズンも日本人選手の活躍から目が離せない。
著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。
【写真】久保建英、三笘薫からカズ、中田英寿まで 欧州サッカーで輝きを放つ歴代日本人選手『Over The Top』
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