スペイン五輪代表に久保建英の同僚・同門が多数 ユーロ2024組もいる優勝候補の全容 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【フル代表から加わるフェルミンとバエナ】

 チームのエースと言えるのは、セルヒオ・ゴメス、アベル・ルイスのふたりだろう。

 どちらもバルサ育ちだけにボールスキルが高く、コンビネーションに長ける。セルヒオ・ゴメスはプレミアリーグ王者のマンチェスター・シティでポジションをつかめていないが、五輪代表では攻撃的ポジションを任される。アベル・ルイスもポルトガルのブラガでポストワークの巧みさを見せつけ、ジローナでのプレーが決まっている。それぞれ若くして異国でプレーし、バルサで培った技が鍛えられた印象か。

 セルヒオ・ゴメスはプレミアリーグ王者のシティで期待された左サイドバックでポジションをまだつかめていないが、五輪代表では攻撃的なポジションを任される。アベル・ルイスもポルトガルのブラガでポストワークの巧みさを証明すると、攻撃的なスタイルで来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得したジローナへの移籍が決定したばかりだ。

 このふたりはオーバーエイジの扱いだが、U-21欧州選手権をともに戦っているだけに、日本で言うところのOAとは少々異なる。U-21欧州選手権は2年間にわたって行なわれ、そのスタート時点で21歳以下であれば出場ができるため、なかには五輪の開幕時には規定年齢の23歳をオーバーしているケースがあるのだ(今回の年齢制限は2001年1月以降の生まれ)。

 ほかにもバルサ系選手が多く選ばれており、プレースタイルも能動的である。バルサ同様に攻撃的スタイルを信奉するレアル・ソシエダからも、ベニャト・トゥリエンテス、ジョン・パチェコが選ばれている。プレーコンセプトは、フル代表と同じだ。

 プラスアルファの戦力としては、ユーロ2024スペイン代表のメンバーでもあるフェルミン、アレックス・バエナ(ビジャレアル)が挙げられる。ふたりとも、実にモダンなオールラウンドプレーヤーだ。

 2023-24シーズン、フェルミンはバルサで「シャビ・エルナンデス監督の申し子」と言われ、後半は定位置を奪い取っている。攻守にインテシティを加えられる点で、同じラ・マシア組のガビ(彼もパリ五輪世代だが、ケガで離脱中)に似ているか。ベースとなるテクニックがあり、しつこく守備をした後、タイミングよくゴール前にボールを入れる。予選でトップ下だったオイアン・サンセト(アスレティック・ビルバオ)がハムストリングのケガで戦列を離れているだけに、トップ下で起用されることになるか。

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