伊東純也がアシスト1位に並びかける大活躍 中村敬斗はスランプを乗り越え「やっとひと皮むけた気が...」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【伊東・中村のホットラインからチャンス】

 一方、大外からゴール前に走り込んだ中村も、悔しがっていた。

「手前で(ムベンバにボールを)触られてなかったら、俺、決めてました。俺も滑っていたので!」

 中村は今シーズン、ここまで4得点。残りシーズンであと1点はほしいところだ。ふたりの記録はつかなかったが、スタッド・ランスはこの1点を守りきり、勝利を掴み取った。

中村敬斗も移籍1年目ながら左サイドで存在感 photo by Watanabe Koji中村敬斗も移籍1年目ながら左サイドで存在感 photo by Watanabe Kojiこの記事に関連する写真を見る フル出場した伊東は、得点シーン以外にも多くのチャンスを作った。定位置である4-2-3-1の右MFでプレーし、前半は大外でゆったりと待ち、チャンスと見るや動き出す。16分、ペナルティエリア近くでパスを受けると、ひとり目のディフェンスをかわし、3人に囲まれながら右足シュートを放つもキーパーに阻まれる。

 37分には中央に切り込むと、テディ・テウマを経由してボールは左サイドの中村へ。伊東のサポートを受けた中村は自ら仕掛けて右足シュートも打つも、ポストの右角に弾かれた。惜しいシーンに中村は「得意の位置からだったので決めたかったですけどね」と、また悔しがった。

 多くの場面で中村は、左サイドでボールを持つと、右サイドの伊東の位置を確認する。左サイドを縦に突破するのではなく、中央もしくは右に展開した。

「純也君からチャンスになることが多いので、けっこう(伊東の)位置を見ています。僕には突破できるような絶対的なスピードがあるわけじゃないので、サイドを変えるなど展開したほうがいいと思うことが多くて」

 中村は伊東にボールを送る意図を、こう説明する。実際、伊東・中村の横のホットラインからチャンスは¬何度も生まれていた。

 中村にとってはフランスに来て最初のシーズン。現在4得点と悪くはないが、突出した成績とも言えない。中村は言う。

「アジアカップが終わったあと、苦しい時期があって......。それでちょっともがいて、ストラスブール戦(4月13日)で点を取ったあたりから、やっとひと皮むけた気がしている。リーグ・アンがどういうリーグなのか、ようやく掴めてきた。あと、チームメイトに純也君がいるのも、すごくやりやすい」

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