遠藤航、久保建英...識者が選ぶ「今季、欧州で最も活躍した日本人選手は誰だ?」 (3ページ目)
3位 久保建英(レアル・ソシエダ)
シーズン前半戦は6ゴールを量産。初ゴールこそ奪えなかったが、CLでも高いパフォーマンスを発揮して決勝トーナメント進出に貢献するなど、今季は間違いなくキャリアハイの成績を残す、と思われた。ただ、アジアカップ以降は連戦の疲労が蓄積し、急速にトーンダウン。とりわけ終盤戦は、ケガの影響もあってパフォーマンスが低下して、ベンチスタートを強いられる試合が増えてしまった。お預けとなりそうな二ケタゴールは、来季のノルマだろう。
2位 南野拓実(モナコ)
昨季はほぼ何もできずに終わったが、2年目の今季は覚醒。29試合に出場して9ゴール、6アシストをマーク(第33節終了時点)するなど、数字としてもしっかり結果を残すことに成功した。それ以上に驚かされたのは、ボックス内で勝負するアタッカーの領域にとどまらず、周りを使いながら好機を作り、自らゴールも決めるというニュータイプの南野に進化した点だ。複数ポジションをスムースにこなせるようになったのがその証。CLの舞台に戻る予定の来季も楽しみだ。
1位 遠藤航(リバプール)
今季リバプールに移籍した遠藤だが、加入当初と現在を比べると、予想をはるかに超えるレベルで成長を遂げている。世界屈指のビッグクラブ、しかもボランチというチームの中心ポジションで、これほど活躍した日本人は過去にいない。その意味でも、今季の遠藤の活躍は大きな意味を持つ。ボールを奪う能力に磨きをかけたほか、ボールテクニックや戦術眼においても大きく進化。加えて、リーグカップ優勝に貢献したこともひとつの勲章となった。
(つづく)
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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