小川航基、ストライカーとして「日本代表を変える自信」オランダですでに10得点の衝撃 (2ページ目)
【アヤックス戦で5万人の観衆を黙らせたプレー】
10月1日のフィテッセ戦、小川は残り10分のところでドストに代わってピッチに入ったものの、あまりいい印象を残すことなく試合を終えた。1-3で敗れたこともあって、観客のひとりから「今日の小川は何もしなかったじゃないか!」と筆者が怒号を浴びたことは今も忘れられない。翌節のヘーレンフェーン戦、小川は90分間、ベンチに座ったままだった。
こうした試練を乗り越えてきたからこそ、今の小川の輝きには価値がある。11月5日のフォレンダム戦(3-3)で2ゴールを奪ってから、小川はレギュラー奪回を果たし、「チームのエースは俺だ」というオーラをまといながらプレーするようになった。
2月18日のアヤックス戦は、後半アディショナルタイム4分でNECが2-2に追いつき、敵地ヨハン・クライフ・アレーナの5万人を超す観衆は静まり返った。アシストこそつかなかったが、右からのクロスに対して小川が敵ふたりを引きつけて潰れた動きは秀逸で、「まさにザ・ストライカー!」と太文字で記したくなるほど。相手ゴール前のデンジャラスゾーンを嗅ぎ分けて突っ込み、結果的に見事なおとり役となってロベール・ゴンザレスの同点弾につなげた。
アヤックス戦後、小川はオランダで得点を重ねていることについて、次のように答えた。
「僕の特徴は『ゴール前での動き出し』です。僕がゴール前で工夫しながら動き出すと、オランダやヨーロッパの特徴なのかはわかりませんけど、僕の動きを見えてないセンターバックが多い傾向にある。
前々節のゴールも、いいタイミングで相手の視界から外れたタイミングでゴール前に入ったら、やっぱりDFがボールウォッチャーになって僕に付ききれなかった。自分が(動き出しを)工夫しているところが1番大きいと思います」
「前々節のゴール」とは2月3日のヘラクレス戦、右からのクロスが上がる瞬間に、小川は自分のマークを振りほどいてニアに走り込み、ボールウォッチャーになったDFの前でヘディングシュートを放って決勝ゴールを決めた。
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