「久保建英が4位」なのはなぜか レアル・ソシエダの地元紙記者が、今季前半戦のチーム内採点合計ランキングを発表 (2ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●取材・文 text by Iker Castaño Cabello

【久保は決定的な働きをする選手のひとり】

 MFのスビメンディは、ボールリカバリとプレーを創造するその高い能力で、再びヨーロッパのビッグクラブに注目されている。GKのレミロは数々のビッグセーブで多くの勝ち点をチームにもたらせている。

 センターバックのスベルディアはDFの中心的役割を果たし、チームの失点の少なさに貢献している。この3人はいずれも、ラ・レアルが好成績を残している上でカギを握る選手たちである。

 久保は今季、パフォーマンスをさらに向上させ、数字的にも申し分ない。決定力をより高め、ラ・レアル初年度の昨季は9ゴールだったが、今季すでに6ゴールを記録。ドリブル成功数はチームトップ、そしてラ・リーガでも上位につけている。

 今季前半戦を振り返ってみると、久保が最も活躍したのは9月2日のグラナダ戦(5-3)だった。スペインでのキャリア初となる2ゴールを決め、さらにオウンゴールを誘発。勝利に大きく貢献して観客からスタンディングオベーションが送られたあの試合だ。

 1対1の局面ではラ・リーガ屈指の選手であると証明し、例年に比べフィニッシュの質が向上していることを示した。さらに2点目はラ・レアルにとって、アノエタ(※レアレ・アレーナの正式名称)での公式戦通算1000ゴール目となる特別なゴールだったこともあり、より一層サポーターの記憶に残るものとなった。

 一方、今季のワーストは、シビタス・メトロポリターノで行なわれた10月8日のアトレティコ・マドリード戦(1-2)だろう。サムエウ・リーノとのデュエルにほぼ敗れ、攻撃で違いを生み出せなかった。これにはロドリゴ・デ・パウルがリーノをサポートしたのも大きく影響していた。

 そんななかで見せた久保のベストプレーは、ハーフタイム直前にボールをキープするGKヤン・オブラクにプレスをかけて脅かし、ミケル・オヤルサバルに正確なクロスを送ったことだ。それでも他の試合に比べると存在感が薄く、プレーにほとんど関与できずに、チームも敗北を喫していた。

 久保に対するイマノル・アルグアシル監督の信頼は揺るぎないが、現在、開幕当初に比べると調子を落としているのは明らかだ。先日のビジャレアル戦で久々の得点を挙げ、歓喜したのも束の間、その後のチャンピオンズリーグ(CL)のインテル戦では、またもや2カ月前ほどの輝きを放てなかった。

 ラ・レアルサポーターも華々しいスタートを切った序盤のような活躍ができていないことを認識しているが、それでも久保が対戦相手にとって頭痛の種であり、ラ・レアルの攻撃のほとんどすべてが彼の足を通じて生まれているのは事実だ。ライバルたちにとって、アタッキングサードで脅威であることに変わりはない。

 多くの人々は久保がどんなに調子を落としていようとも、パフォーマンスはトップレベルにあり、チーム内での需要性が増し、決定的な働きをする選手のひとりだという印象を持っている。

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