守田英正&スポルティングは布陣を変更したユベントスの軍門に下る ヨーロッパリーグ4強決定 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【力不足だった守田の左サイド】

 だがスポルティングの場合、右、左の関係で言うと、エドワーズが高い位置を張る右サイドのほうが強かった。このイングランド人の右ウイングはこの試合、両軍を通じて最も目立った選手でもあった。その分だけ、左は貧弱に映った。

 右からエドワーズ、ユセフ・シェルメティ、トリンコンの順で並んだ初戦に対し、第2戦はエドワーズ、トリンコン、ポテ(ペドロ・ゴンサウベス)の順で並んだ。

 第1戦では後半、1トップで起用された18歳のポルトガル人FW、シェルメティが機能しなくなった。ボールを収めることができなくなり、攻撃力低下を招く原因になった。ルーベン・アモリム監督が、第2戦で1トップに、ふだんは左が多いトリンコンを起用した理由だろう。CFタイプと言うよりドリブルが得意なチャンスメーカー系である。ポストプレーヤーではない。左のポテは初戦で守田の脇でプレーしたMF色の強い選手だ。ウインガーではない。パウリーニョというCFらしいCFがケガで長期、戦列を離れることになった影響が、左サイドに現れる格好になった。

 合計スコアで同点に追いつくまであと1点に迫りながら、スポルティングのサッカーは思いのほか盛り上がらなかった。後半に入ると手詰まり感さえ漂い始めた。そうしたなかで守田もミスを重ねた。ボールを奪われ大ピンチを招くシーンもあった。

 後半の中盤以降は、ボールに触れる機会そのものが激減。同点・逆転を目指す攻撃の輪に入れていない状態に陥った。採点するならば6点以下か。10段階で7.5に近い数字を、ひいき目抜きに出すことができた初戦とは一転、よくない出来だった。

 後半のなかば過ぎになるとユベントスは4-3-3から5バックに布陣を変え、守りを固めた。しかし攻めあぐんだ原因はユベントスが守りを固めたからと言うより、攻撃で気を吐くのがエドワーズばかりというスポルティング自身にあった。

 そのなかに守田はすっかり埋没した。不振の原因は何だったのか。自分自身にあるのか。第1戦に活躍したことでユベントスに警戒されたためか。

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