ベンフィカがCL決勝トーナメントをかき回す可能性。黄金コンビと伝統の華麗な攻撃力は必見
第2回:ベンフィカ
ベンフィカは2022-23シーズンの欧州サッカーで必見の好チーム。伝統の華麗な攻撃が面白いこの記事に関連する写真を見る
【ラファとマリオの黄金コンビ】
パリ・サンジェルマン、ユベントス、マッカビ・ハイファと同居したグループHを4勝2分の無敗で首位通過。ポルトガルのSLベンフィカは注目チームの1つである。
カタールW杯で優勝したアルゼンチン代表のMFエンソ・フェルナンデスのチェルシーへの移籍は大きな痛手だが、それでも今季のベンフィカはベスト8進出に値する強さをみせている。
攻撃を牽引するのが4-2-3-1システムの2列目、ラファ・シウバとジョアン・マリオだ。
トップ下のラファ・シウバは、俊敏でトリッキーなテクニシャン。ホームのユベントス戦では、ジョアン・マリオからの低いクロスボールをバックヒールで合わせる巧妙なシュートで、チームの3点目を決めている。さらにスルーパスで抜け出して4点目もゲット。こちらはGKの出際を軽くチップさせたシュートだった。
右サイドハーフのジョアン・マリオは、新境地を拓いたと言っていいかもしれない。右サイドに開いているがウイングというタイプではなく、パスワークで打開するキーマンだ。それでいてクロスボールは、高低緩急ともにパーフェクトでクロッサーでもある。
背筋を伸ばして悠々とプレーし、ワンタッチ、ツータッチでシンプルにボールを捌く。そうしてパスを回しながらスッと動いて受け直した時には、すでに相手の守備が崩れている。ボールの動かし方、それによって相手DFがどう動くかを見切っていて、余裕綽綽(しゃくしゃく)のプレーぶりは達人の域といった趣なのだ。
このラファとマリオのコンビがまた息ぴったり。ポルトガルらしいテクニカルな攻撃を体現している。
CFはワールドカップでプチ・ブレイクしたゴンサロ・ラモス。屈強でテクニックもあり、際どいところに突っ込んでいけるストライカーらしい嗅覚もある。ポルトガル代表ではクリスティアーノ・ロナウドからポジションを奪いとる活躍をみせていた。
左サイドはブラジル人のダビド・ネレスがレギュラーだったが、負傷欠場の穴をフレデリク・アウルスネスが埋めている。ドリブラーのネレスとは全然違うタイプで、攻守にバランスをとりながらのパスワークが持ち味。スキンヘッドと柔らかいボールタッチがちょっとジダンっぽいノルウェー人だ。
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