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三笘薫の活躍でワクワクするブライトンの攻撃。リバプールをズタズタにした前線の動き方に注目 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

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三笘の裏抜けで中央を空け、ファーガソンからマーチとつないでゴール

 エストゥピニャンがボールを拾った瞬間の、三笘の動き出しがスイッチとなったシーンである。

三笘の動き出しで中央にスペースが空き、ファーガソン→マーチとつないでゴール三笘の動き出しで中央にスペースが空き、ファーガソン→マーチとつないでゴールこの記事に関連する写真を見る マク・アリスターがジョーダン・ヘンダーソンと競り合い、そのこぼれ球をエストゥピニャンがフリーで拾った時、それを見たトレント・アレクサンダー=アーノルドが一瞬だけ釣り出された。

 次の瞬間、三笘がA・アーノルドの背後を取って動き出した。ここがポイントである。この動きによってセンターバックのジョエル・マティプがサイドに釣り出され、中央にスペースが空いただけでなく、トップのファーガソンがフリーでボールを受けることができた。

 さらにこの時、マティプが空けたスペースに逆サイドのマーチがダイアゴナルに走り出している。素早い反応にアンドリュー・ロバートソンとイブラヒマ・コナテは出遅れていた。

 エストゥピニャンから縦パスを受けたファーガソンは冷静に反転して、マーチへスルーパスを通した。抜け出したマーチはコントロールがやや足元に入るが、名手アリソンも届かない技ありシュートをファーサイドへ決め、この試合2点目をゲットした。

 三笘の動き出しを起点にブライトンの前線が流れるように連動し、リバプールの最終ラインを翻弄して鮮やかに崩したシーンだった。

 絶好調のブライトンは、次節レスター戦で公式戦4連勝を飾れるか注目である。

【筆者プロフィール】
篠幸彦(しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の”実戦ドリル”でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

◆【画像】ブライトンほか、2022-23 欧州サッカー注目チーム フォーメーション

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