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「ここまでのベストゲーム」だったが、結果は妥当。フランスとイングランドの間にあった大きな差

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 元ドイツ代表のMFトニ・クロースが、この試合について「ここまでで今大会のベストゲーム」とツイートしていた。

 互いに持ち味を出して攻め合った試合は、確かに面白く、最後までどちらが勝つかわからないスリリングなものだった。

 だが、スコアの上では接戦でも、勝者の視点に立てば貫禄勝ち。敗者の視点に立てば力負け。内容的に見て「ここまでのベストゲーム」だったことに異論はないが、最後は底力の差が出てしまった感がある。

 ワールドカップ準々決勝。優勝候補同士の直接対決となった一戦は、フランスがイングランドを2-1と下し、ベスト4進出を果たした。

巧みな試合運びでイングランドに競り勝ったフランス巧みな試合運びでイングランドに競り勝ったフランスこの記事に関連する写真を見る 手数でこそイングランドが上回るも、効果的なパンチを的確に当てていたのはフランス。そんな内容の試合だった。

 フランスの先制点は鮮やかだった。

 自陣左サイドでイングランドの攻撃を防ぐと、奪ったボールをDFダヨ・ウパメカノが自らドリブルで運んで前進。FWキリアン・エムバペへとつながれたボールは、エムバペがドリブルで中央に進入して右サイドへと展開される。

 すると今度は、右サイドでパスを受けたFWウスマン・デンベレがドリブルでの仕掛けをチラつかせながら、内側にいたFWアントワーヌ・グリーズマンへパス。最後はグリーズマンの丁寧な落としを、中央に走りこんできたMFオーレリアン・チュアメニが右足でゴール左スミへ、豪快かつ正確に叩き込んだ。

 選手個々の高い能力がチームとしてガッチリかみ合った、鮮やかなカウンターアタックだった。

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