采配光るイングランドが16強進出。日本代表と対照的な「ベスト8以上を狙うチーム」の選手起用法を見た (2ページ目)
誰が出ても戦力が保たれるサウスゲイト采配
第1戦、イラン戦=ラヒーム・スターリング、メイソン・マウント、ブカヨ・サカ、ジュード・ベリンガム(交代選手=フィル・フォーデン、マーカス・ラッシュフォード)
第2戦、アメリカ戦=スターリング、マウント、サカ、ベリンガム(ラッシュフォード、ジャック・グリーリッシュ、ジョーダン・ヘンダーソン)
第3戦、ウェールズ戦=フォーデン、ラッシュフォード、ベリンガム、ヘンダーソン(グリーリッシュ)
出場時間に換算すると以下のような順になる(アディショナルタイムは含まず)。
1・ベリンガム=249分、2・マウント161分、3・サカ149分、4・スターリング139分、5・ヘンダーソン111分、6・フォーデン109分、7・ラッシュフォード107分、8・グリーリッシュ55分。
有能なアタッカーをきれいに使い回しているという印象だ。1戦目(イラン戦)、2戦目(アメリカ戦)は同じスタメンで臨み、3戦目(ウェールズ戦)で、大きくいじってきた。第1戦と第2戦に先発したベリンガム、マウント、サカ、スターリングがスタメンで、3戦目に先発したフォーデン、ラッシュフォード、ヘンダーソン、さらにはいずれの試合も交代出場だったグリーリッシュがサブに見える。
だがそのわりに、それぞれの出場時間には大きな差がない。3戦目で先発した選手は1、2戦でもしっかり交代出場を果たしている。出場時間で見るとサブ色は薄くなる。先を見据えた戦い方ができていると言うべきだろう。ベスト8以上を狙うチームの方法論を、イングランド代表監督サウスゲイトの采配に見る気がする。
スーパースターはいない。だが好選手はたくさんいる。粒ぞろいなのだ。誰が出ても戦力は保たれる。1、2戦でスタメンを外れた選手たちで臨んだウェールズ戦が、プレーのレベルは一番高いように見えたほどだ。
イングランド代表を見ていると、日本代表を想起したくなる。若干レベルに差はあるが、誰が出ても遜色なく、粒ぞろいという点で一致する。森保一監督は1戦目と2戦目で先発を大きく変えた。「久保建英、前田大然、伊東純也」を、「相馬勇紀、上田綺世、堂安律」に変えた。
2 / 3