カタールW杯でも見たい伊東純也の爆発。スタッド・ランスでは度々ゴールに絡む頭脳プレーを見せている (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
中央の伊東がもらいに動きワンツー。抜け出してクロスからゴール

 右サイドでの数的同数の局面だったところを、伊東のタイミングのいいサポートによって打開した場面である。

伊東純也が寄ってきてファン・ベルゲンとワンツー。クロスからゴールが生まれた伊東純也が寄ってきてファン・ベルゲンとワンツー。クロスからゴールが生まれたこの記事に関連する写真を見る ライン際のファン・ベルゲンにボールが渡った時、フォケがオーバーラップを仕掛けた。モンペリエ側はこれにフェトゥ・マウアサが対応。しかし、左センターバック(CB)のニコラ・コザは伊東が中にいるため、サイドへスライドしてのカバーができなかった。

 モンペリヘは中盤のレオ・ルロワが戻ってサイドを数的同数にしたが、ルロワがそこからファン・ベルゲンの対応に向かったことで、中のスペースが空いた。ここがポイントとなった。

 次の瞬間、中央の伊東がルロワの空けたスペースに動くと、ファン・ベルゲンがすかさずボールを預け、縦に抜け出していく。ここで伊東のマークについていたコザが釣り出されると、ポケット(※ゴールライン近くの、ペナルティーエリアとゴールエリアの間付近のスペース)に大きくギャップが生まれる。

 そのポケットに走り込んだファン・ベルゲンは、伊東のワンタッチの折り返しを受けて鮮やかに抜け出し、最後はクロスをミュネツイが合わせて先制点となった。

 伊東がCBを引きつけてスペースを作る動きからのワンツーが起点となり、お手本のように崩したシーンだった。

 カタールW杯前最後のリーグ戦でも、スタッド・ランスの攻撃を牽引した伊東。その好調さを、まもなく迎える初戦のドイツ相手にも発揮してくれることを期待したい。

◆【動画】リーグ・アン第15節 モンペリエvsスタッド・ランス
(スタッド・ランスのゴールシーンは、4分34秒~5分4秒)

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