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日本代表はスペインを恐れる必要はあるか。クラブ&代表が弱体化していった理由 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

突出しているのはペドリぐらい

 そんな実状がスペイン代表の歪(いびつ)さも生んでいる。

 代表を率いるルイス・エンリケ監督は、今も最強の戦いを求められる。しかし実現は難しい。バルサ時代に指揮官として欧州王者になっているだけに、バルサの選手を中心に編成すると、「レアル・マドリードに恨みがある」と批判を浴びた。ルイス・エンリケはレアル・マドリードとバルサ、どちらでもプレーした人物だが、前者では不遇を囲い、後者で愛された。本人の好む好まざるにかかわらず、キャラ付けがあるのだ。

 日本代表も森保一監督の不人気が話題になっているが、ルイス・エンリケも支持率は低い。特にメディアとの軋轢は、もはや修復不能だろう。負けた試合後の記者会見は修羅場となる。

 ルイス・エンリケが率いるスペインは盤石ではない。人材は豊富だが、本当に突出した選手はペドリぐらいだろう。そのペドリにしても、昨シーズンのヨーロッパリーグでフランクフルトの鎌田大地に完全に封じられ、最近は孤軍奮闘の感も強い。

 スペイン勢がCLで1試合を残して3チームがグループリーグ敗退。それは「黄金時代の終焉」のエピローグであり、新たな事実ではない。常勝レアル・マドリードがどうにかメンツを保っているにすぎなかった。

 日本人選手は今やヨーロッパのカップ戦でも奮闘を見せている。怯むことはない。W杯でも真っ向から戦うべきだろう。

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