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福田正博が指摘する欧州サッカー「センターフォワードの価値の再認識」。ハーランド、レバンドフスキが新天地でも大活躍 (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

レバンドフスキが抜けたバイエルン

 昨シーズンにCLで優勝したレアル・マドリードを見れば、カリム・ベンゼマという世界屈指の1トップがいて、ゴール前で決定的な仕事をする。そのうえポストプレーをしたり、サイドに流れてゴール前にスペースもつくり、チームのためにも動く。その存在があったからこそ、昨季は下馬評を覆してCL王者に輝いたわけだ。

 もちろんグアルディオラ監督が、ただ単にそれをマネようとしているわけではないだろう。それでもCLを制覇するのに足りないものは何かと考えた時に、決定力を持ったストライカーをトップに据えるという答えに行き着いたのだと思う。

 候補が何人かいたなかでハーランドを選択したのは、移籍金や契約期間などの問題を考慮せずに言えば、彼がゴール前に張り付いてプレーするタイプのFWではないのも大きいだろう。ハーランドは、動きながらスペースでボールを受けるのがうまい。この特性ならマンチェスター・Cの戦いのスタイルにも適合すると考えたのではないか。

 面白いのは、ハーランドがゴールを量産していても、マンチェスター・Cは現時点で首位ではないところだ。調子が悪いわけではないが、アーセナルがマンチェスター・Cを上回っている。ここでFWとして気を吐いているのが、昨季までマンチェスター・Cでプレーしていたガブリエウ・ジェズスというのも、興味深い。

 ブンデスリーガでもCFに大きな動きがあった。バイエルンで昨シーズンまで8シーズンにわたって最前線を務め、387試合で350ゴールを決めたロベルト・レバンドフスキがバルセロナに移籍。

 ほぼ1試合に1点を決めたストライカーが抜けた穴を、バイエルンはどうやって埋めるのか。CFタイプが不在というのはドイツ代表でも抱える問題で、それに35歳の気鋭のユリアン・ナーゲルスマン監督がどう対策をとるのか興味深く見ている。

 当初はリバプールから補強したサディオ・マネをトップに据えた。マネはCFタイプのFWではなく、リバプールではウイングとして活躍。そのマネをトップに置いて迎えた開幕戦は、鎌田大地や長谷部誠の所属するフランクフルト戦で6ゴールを挙げて快勝する。

 しかし、そのあとは続かなかった。リーグ戦で3試合連続で引き分けたあと、第7節のアウクスブルク戦では今季初の敗戦を喫している。前線の組み合わせを試行錯誤している状況が続いているが、果たしてバイエルンがどういう解決策を見出すかは、今後も目が離せない。

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