久保建英、古橋亨梧、旗手怜央...欧州組が次々とゴール。日本代表よりクラブでのほうがいいのはなぜか (2ページ目)
「チームが自分の力を引き出す」
そして、久保建英(レアル・ソシエダ)は、ジローナ戦で2トップの一角で攻撃を牽引している。元スペイン代表ダビド・シルバとの連係はあいかわらず傑出しており、阿吽の呼吸で、何度もブロックを作って守る相手を切り裂いた。
とりわけ、久保は左サイドに流れてのプレーの質が目に見えて向上している。ジローナ戦も、左足クロスをアレクサンダー・セルロートの足元に通してゴールのアシストを記録したが、今やチームの得点パターンになりつつある。また、カウンターでもセルロートとのコンビでゴールに迫り、やや左に流れて1対1でボールを受けると、シュートコースだけ作って左足を一閃。ボールをファーポストの内側に当て、ゴールに入る痛快な一撃を決めた。
ジローナ戦に先発、1ゴール1アシストの活躍を見せた久保建英この記事に関連する写真を見る「自分がチームに貢献しているよりも、チームが自分の力を引き出している」
久保はそう説明しているが、まさにその言葉どおりだろう。
名将の誉れも高いイマノル・アルグアシル監督の「ボールありき」のビジョンが、久保の後押しになっている。テクニカルでコンビネーションに長けた選手を集め、スモールスペースを切り崩す。かなり攻撃志向だが、「守備をしない」わけではない。「守備も攻撃のために」というコンセプトで、チームとしてプレスをかけ、「攻撃こそ防御なり」を成立させているのだ。
一昨シーズン、昨シーズンと、伸び悩んでいた久保が一気に頭角を現したのは、レアル・ソシエダというチームとの邂逅が大きいだろう。
そして現在、欧州で活躍している日本人選手には、多かれ少なかれ、この傾向がある。強化がコンセプトに合ったスキルの高い、インテリジェンスのある選手を集め、腕のある監督が選手のよさを引き出し、選手がそのプレーモデルのなかで成長を示している。
ここに挙げた日本代表の選手たちは、その好循環のなかにいると言える。
ひるがえって森保一監督は、日本の選手たちの力を100%引き出していると言えるだろうか。
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