南野拓実がモナコの3連勝に貢献。リーグ・アン初ゴールは冷静なポジショニングから決まった (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
前線のエンボロに縦パスを入れ、DFを釣り出してフリーの南野へ展開

 相手より1人多い状況を、モナコがうまく利用した場面である。

 ランスはロッコが退場してからシステムを4-4-1にし、伊東の単独の突破力でカウンターを狙う形を取っていた。

 それに対して優位にゲームを進めていたモナコだが、なかなか追加点を奪えない展開が続いていた。様相が変わったのは後半38分頃からだ。

エンリケからエンボロに縦パスが入り、右サイドでフリーになった南野へ展開エンリケからエンボロに縦パスが入り、右サイドでフリーになった南野へ展開この記事に関連する写真を見る 1点ビハインドのランスはDFを1枚削ってFWのノア・ジーン・ホルムを投入し、システムを3-4-2に変更して点を取りに行った。この前がかりになったところを冷静に突いたのがこのシーンである。

 GKニュベルからエンリケがボールを受けた時、ランスのDF3人に対し、モナコは2トップと両サイドハーフの4人が前線に並んだ。

 左サイドのジェルソン・マルティンスと2トップがそれぞれマークを引き連れた。そしてエンボロがエンリケからクサビのパスを受けると、同じタイミングでベン・イェデルが中央から裏へ抜けようとしてDFを釣り出す。すると、右サイドの南野の前に大きくスペースが生まれた。

 ボールキープしたエンボロが、右へ素早く展開。抜け出した南野が落ち着いてゴールに流し込んだ。

 前がかりになったランスの隙をモナコが確実に突いて、南野のリーグ・アン初ゴールが記録された。フランスで結果が出せずにいた南野だが、このゴールをきっかけにすることができるか注目したい。

◆【動画】リーグ・アン第8節 スタッド・ランスvsモナコ ハイライト
(南野のゴールシーンは4分58秒~5分53秒)

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